各地で行動制限が緩和され、経済再開が進んでいたアメリカに今、暗い影を落としているのが、従来のウイルスより感染力も重症化のリスクも高いと言われるインド型変異ウイルス「デルタ株」。アメリカでは3月に初めて検出されて以降急拡大し、7月後半の2週間には新規感染例の9割以上がデルタ株の感染であると推定されています。ワクチン接種が進んでいない地域で特に感染が広がっていると言われていますが、アメリカ全体で見ると、新規感染者数の7日間平均が1万人台前半をキープしていた6月に比べて現在は約11万人に膨れ上がっています。
ニューヨーク市でも、7月上旬まで1%未満だった検査の陽性率が5%近くに上昇。ワクチン接種の有無に関わらず屋内の公共の場でのマスク着用が強く推奨され、店内飲食や屋内施設を利用する際、新型コロナワクチンの接種証明の提示を義務付ける方針を発表するなど、感染防止のための方針が次々と打ち出されています。一時はコロナ禍前の日常を取り戻すかに見えたアメリカはどうなってしまうのでしょう?マンハッタンで診療を行う20 イースト・メディカルのカマール・ラマニ医師に、現状や今後の予想、そしてデルタ株についても改めて教えてもらいます。