今月2日、テキサス州で、ある殺人事件の裁判が開廷した。被告人は14年前、自分の娘2人を殺害した容疑で指名手配され、12年間逃亡していたヤーサー・サイードという男だ。
事件が起きたのは2008年1月1日。テキサス州アービング警察の911番コールセンターに午後7時半頃、「父親に撃たれた」と助けを求める少女からの通報が飛び込んできた。そしてその1時間後、ホテルの外に停められたタクシーの車内で高校生の姉妹の遺体が見つかる。警察は、姉妹の父親でタクシー運転手のヤーサー・サイードを指名手配。この日、2人といたのを目撃され、事件後姿を消していたサイードは、家で暴言や暴力を振るい、娘たちの行動を常に監視するなど行き過ぎた言動で家族を支配していたという。
いわゆる「名誉殺人」として大きな注目を集めたこの事件。父親は事件から12年後の2020年に逮捕され、そのさらに2年後の今月2日、サイード被告が「極刑に値する殺人罪」で有罪かを審理する裁判が始まった。