6月アメリカでは、学校の卒業シーズン。既に夏休みを謳歌している学生も多い中、今月初め、厳粛な空気の中、ある高校の卒業式が行われました。
12年前、まだ小学校に入学したての児童と教師合わせて20人の命が一瞬で奪われた、
アメリカでも最悪の学校銃撃事件。多くクラスメートを失ったこの小学校の生存者の子供たちが、この日高校の卒業式を迎えました。
明るい日差しの中、マーチングバンドで行進する卒業生たち。しかしこの写真の子供たちは、この卒業式を迎えられませんでした。2012年に起こった、アメリカ史上でも最悪と言われるサンディフック小学校での銃乱射事件の犠牲者たちです。
小学校があったコネティカット州ニュータウンの高校では、この事件で奇跡的に生き残った子供達が、この日高校を卒業。犠牲になった子供たちと教師の名前が読み上げられ黙祷が捧げられました。卒業生は、辛い思い出が蘇ってきたと言います。
サンディフック生存者、エラ・シーバーさん
「私たちの中に、大きな何かが欠けている事をはっきりと思い出させてくれます」
事件から12 年、彼らは悲しみをバネに行動を起こしています。
地元の銃規制団体、「ジュニア・ニュータウン・アクション・アライアンス」で活動し、そして最近カマラ・ハリス副大統領と会い、自分たちの体験と銃規制について話し合いました。
サンディフック生存者: マット・ホールデンさん
「もっと前に、行動すべき時に行動を起こしていれば友人たちはまだ生きていたでしょう そしてそれが最も腹立たしいです」
グレース・フィッシャーさん
「人々は銃規制を政治問題にしようとしますが実際はそうあるべきではありません」
犠牲者の一人で、自分が撃たれる前にクラスメイト 9 人を守ったと言われる 1 年生ジェシーくんの名前を冠した団体では、コミュニティーの心のケアなどをサポートしています。
サンディフック生存者: リリー・ワシルナクさん
「私は彼の代わりに何かしら意味のあることをしなければと感じました 彼はやりたくても出来なかった」
ジェシーくんは他の犠牲者とともに卒業アルバムにも名を残しました。
ジェシー・ルイスの母、スカーレット・ルイスさん
「ジェシーが存在した事を思い起こさせたかった息子は、今日皆と一緒に卒業するはずでしたがそれは出来なかった私はただ、ジェシーが世界に何を与えたかを少しだけでも知ってもらいたかった」
卒業生たちは、自分たちの未来はここからだと決意を新たにしました。
グレース・チリアッティさん
「私たちにこれからどんな未来があるのか、新たな人生を待ちきれません」
生徒らは帽子を空高く投げました。
「2024 年卒業生、おめでとう!」
サンディフックの生存者たちは、自分たちの使命は明らかだと語ります。
マット・ホールデンさん「私は銃規制の運動を生涯やり続けたい。残りの人生を通して戦い続けたいと思っています」