ホワイトハウスや議会議事堂などがあるワシントンDC上空に民間の小型ジェット機が侵入しF16戦闘機が緊急出動しました。小型ジェット機はその後墜落し4人が死亡しました。
4日(日曜日)、午後1時過ぎパイロットと2歳の子供を含む3人の乗客を乗せた民間の小型ジェット機はテネシー州の空港を離陸し、ニューヨークのロングアイランドに向かいました。
離陸からおよそ15分で管制塔との交信が途絶えましたが、FAA連邦航空局によるとそのまま目的地のロングアイランド上空まで飛行。しかし着陸はせず迂回してワシントンDCの方向へと南下。オートパイロットで飛行していたと見られています。
午後3時ごろ、小型ジェット機がホワイトハウスや議会議事堂周辺の規制された空域に接近したため警戒態勢が一時強化され、F16戦闘機、6機が緊急出動しました。周辺地域では戦闘機が、急速に音速を超える時に発生するソニックブームと呼ばれる爆音が聞かれました。戦闘機は、フレアと呼ばれる強い光を放つ弾を撃つなどして注意を引きましたが反応はありませんでした。
離陸から2時間以上が経過したおよそ3時30分、小型ジェット機はバージニア州の山林地帯に墜落。燃料切れと見られています。
墜落現場を捜索したバージニア警察は生存者はいないと発表しました。
この小型ジェット機を所有する会社社長によると、死亡した4人はパイロットと、自分の娘で不動産業を営むアディナ・アザリアンさんとアディナさんの2歳の娘アリアちゃん、そしてアリアちゃんの世話をするナニーだったということです。
航空評論家「機内の圧力が何らかの理由で失われ低酸素症を引き起こしたと考えられます酸素不足で意識を失いますが気づかないまま意識を失うこともあります」
大統領の執務するホワイトハウス周辺の上空は、最も厳しい警戒が敷かれている領空でFAAとNTSB国家運輸安全委員会が事故原因の調査を行なっています。そうした中、航空機との連絡がとれないまま2時間以上も飛行を続けたことについて関係当局の対応の遅れが指摘されています。