オハイオ州で、先月24日、警察官が車で逃走しようとした万引き容疑者の女性に発砲し射殺しました。殺された容疑者は妊娠中で、お腹の子供も死亡しました。オハイオ州警察は、この事件現場で撮影された警察官のボディカメラ映像を公開、警察官の過剰捜査を非難する声が上がっています。
1日金曜日、オハイオ州警察が公開した警察官のボディカメラ映像は、現場で起こった生々しい状況が収められています。映像の記録によると、8月24日午後6時半ごろオハイオ州コロンバス近郊の食料品チェーン店で、警察官2人が万引き容疑者の女性に車から降りるよう、命令しています。
警官:車から降りなさい容疑者:何のために?
警官:万引き容疑だ。動かず、車から降りろ容疑者:何も盗んでないわよ
警官:それなら車を出ろ
車の前に立った警察官は、容疑者が車で逃走しないよう銃を構えます。しかし女性は車を発車、その直後、前に立った警察官がフロントグラス越しに1発発砲しました。車は発進しますが、すぐ速度を落とし店の壁にあたり停止しました。
車内の女性は即死、7ヶ月の妊娠中でしたが、お腹の子供も助かりませんでした。この映像では、2人の警察官が容疑者に近づいてから、ほんの30秒で発砲され、この行為が警察の過剰な反応ではなかったか疑問の声が上がっています。
この映像を見た容疑者の祖母は、警察への怒りをあらわにしています。
容疑者の祖母「警察は何の理由もなく、武器も持っていない黒人の妊婦を射殺した。哀れでならない」
コロンバスの地元では、この事件に関して、警察に抗議する運動も起こっていて大きな問題に発展するとも伝えられています。警察組合関係者オン「警察の捜査は危険で一瞬の判断が必要です。正しい判断を下せば英雄として称賛されますが今回は違った。撃てば刑務所に行き、撃たなければ死ぬんです」地元警察では、発砲した警察官の個人名などを公表していませんが、この事件の捜査は、オハイオ州の刑事捜査局に引き渡されたと話しています。