共和党のマッカーシー下院議長は12日(火)バイデン大統領に対する正式な弾劾調査を開始するよう下院委員会に指示すると表明しました。専門家は、来年の大統領選を睨んだ、民主共和両党の駆け引きのスタートだと見ています。
12日、マッカーシー下院議長は、議会議事堂内での会見でこの弾劾調査について説明しました。
マッカーシー下院議長「今後は我々下院の委員会の総力を結して事実を突き止め、国民に知らせたい」
弾劾は、バイデン大統領の息子ハンター氏による金銭が絡んだ不正行為に関するもので、バイデン大統領と家族が関与した可能性があるとして、下院の3つの委員会が、およそ9ヶ月間、調査を進めています。
バージニア州民主党ジェリー・コノリー下院議員「私は、証言や公聴会の記録を調べ証人にインタビューしましたが、全くその証拠は見当たりません」
マッカーシー氏が、この弾劾調査を行うと宣言した背景には、トランプ前大統領を支持する共和党の強硬派への配慮とも言われ、弾劾調査を行わなければ、マッカーシー氏を下院議長から解任するとまで脅かす、共和党員も出ました。
政治シンクタンク所長、スタン・バーンズ氏「強硬派議員やトランプ支持派らの圧力が非常に強くなり、マッカーシー氏もその声を押さえつけられなかった」
共和党側は、訴訟問題を抱え選挙活動が制限されているトランプ氏への配慮から民主党側にも同じように圧力をかけ、少しでも有利な政局に持ち込むための駆け引きだと指摘しています。