イスラエルとハマスの戦争が続く中、アメリカ国内では、双方のコミュニティーへの憎悪犯罪が増加しています。
特に反ユダヤ主義への憎悪犯罪では、ユダヤ教会、シナゴーグなどを標的とした、爆弾予告などの脅迫行為や偽通報が急増しており当局では警戒を強めています。
当局では、12月17日、日曜日までに、全国のユダヤ人コミュニティを対象とした、少なくとも300件の脅迫の電話や電子メール、偽の通報を確認したとしています。
これは、過去最高水準の多さで、17日、1日だけで、およそ少なくとも19州のユダヤ人施設で、爆弾テロ予告の電子メールを受け取ったと、民間のユダヤ系監視団体が報告しています。
国家安全保障アドバイザージョン・コーエン氏「これらの行為はいたずらや冗談ではなく、コミュニティーを混乱させ恐怖を引き起こすことを目的としています。極度の緊張下にある今の環境では、人の生死につながる可能性があり危険です」
アラバマ州のユダヤ教会では、爆弾テロ予告のため礼拝中に避難しました。
教会関係者「人々は緊張し神経質になっていますが、私たちも彼らの安全に礼拝に来られるよう努めています」
専門家らは、ユダヤ人コミュニティーへの脅迫などの行為は、イスラエル・ハマス戦争が始まる前に、すでに危機レベルに達していたと述べています。
この脅迫などの行為は、昨年に比べて500パーセント以上増加しています。
オハイオ州とカリフォルニア州では、ユダヤ教会に対する脅迫行為の容疑で未成年者が逮捕されています。反ユダヤ主義の事件も337パーセントと急増しています。
民間のユダヤ人人権団体によると、10月から12月の間に報告された事件は2,000件を超え、過去最高を記録しています。
これらの脅迫や偽通報などの行為は、総称して「スワッティング」と呼ばれています。
警察特殊部隊の『SWATスワット』を元にした言葉で、偽の爆弾予告などでスワットを出動させ混乱を引き起こすなどの犯罪行為にあたります。