民主党バイデン大統領と共和党トランプ前大統領。
2人の一騎打ちがほぼ間違いないと予想される
11月の大統領選が近づき、
お互いに、それぞれの支持層を引き付けるための演説合戦が始まっています。
19日、日曜日、バイデン大統領は、
ジョージア州の歴史的に有名な黒人男子大学を訪れ
卒業の祝辞スピーチを行いました。
バイデン大統領
「君たち黒人男性がアメリカの未来を率いていく」
元々民主党は黒人有権者の支持も高く、
バイデン大統領の再選には欠かせない支持層ですが、
バイデン政権が、イスラエルのガザへの侵攻を制御できず、
新パレスチナの学生運動が全米の大学で激化した事などで
この日のスピーチでは、大統領に背を向け
反対の意を表明する学生なども出ました。
卒業生総代「我が校の学生として、そして人間として、ガザでの永久停戦を求めます」
バイデン大統領「私は即時停戦を訴えた。今は二国間での解決を進めている」
パレスチナや不法移民の問題など、民主党を支える若者支持層が
バイデン大統領の現在の政策に不満を抱えていて、
陣営はこの取り込みに苦慮しています。
一方で、裁判などでスケジュール的にも
選挙活動が制限されているトランプ前大統領ですが、
共和党の岩盤支持層でもある、
NRA・全米ライフル協会の会合で演説を行いました。
トランプ前大統領
「憲法修正第2条(銃所持の権利)は守られていない。皆さんのような銃所有者に投票してもらわなければならない」
激戦州では、未だ共和党トランプ氏がリードしている状況ですが、
大統領選で常に大きなテーマとなる女性の人工妊娠中絶問題で、
明確な立場を示していないトランプ前大統領は、
この答え一つで選挙の流れが大きく変わる可能性も指摘されています。
共和党の大統領選候補者指名争いで最後まで戦った、
ニッキー・ヘイリー元国連大使も、
先ごろ、トランプ氏への支持を表明しました。
両陣営とも、それぞれの岩盤支持層を固めつつありますが、
来月27日に行われる初のテレビ討論で、
一体どちらの言葉が、アメリカ国民の心をつかむかが、
選挙の最初の山場となります。