新型コロナウイルスの世界的パンデミックの最中 米国の感染対策などを指揮した アンソニー・ファウチ、前国立アレルギー感染症研究所所長が、議会公聴会で証言。 在任中、ウイルスの起源について情報操作を行なったなどとして 共和党議員から厳しい追及を受けました。

３日（月曜日） 下院特別委員会に出席したファウチ氏は およそ４時間におよぶ公聴会で パンデミック中の行動規制、ソーシャルディスタンスや マスク着用についての方針についても 厳しい追及をうけました。

共和党マイケル・クラウド議員

「全てのビジネス閉鎖の理由は？」

ファウチ氏

「１日５０００人が死亡している状況で必要でした」

クラウド議員

「教会の閉鎖は？」

ファウチ氏

「同じことです」

クラウド議員

「外出制限は？」

ファウチ氏

「死者増加の波を止めるため重要でした」

当時のワクチン接種義務などについても 厳しく追求されました。

共和党マージョリー・テイラー・グリーン（ジョージア州選出）

「アメリカ国民に対する不正な職権乱用ですよ私はあなたをドクターと認めていません」

また、ファウチ氏はウイルスの起源が中国であったことを隠蔽したという陰謀説も含めて否定。 パンデミック中に下した自身の判断をあらためて肯定しました。

ファウチ氏

「中国の武漢市で起きていた全てを把握するころは誰にもできません

したがってウイルスの起源について限定はしないと証言しました」

ファウチ氏は、当時のトランプ政権の方針に反対し、 厳しい予防政策を国民に課したことで、 本人や家族などへの脅迫の被害があったことも語りました。

ファウチ氏

「妻と３人の娘が脅迫被害を受けていたので非常に苦しみました」

ミシガン州選出デビー・ディンゲル下院議員

「振り返って今どう感じますか？」

ファウチ氏

「最悪でした」

ファウチ氏はコロナ後の２０２２年の終わりに引退しました。

公聴会では民主党議員からその功績を賞賛される場面もありましたが 共和党議員の追及は、  保守派が嫌った トランプ政権時代の  コロナ対策をファウチ氏の責任として謝罪を求めるなどこの問題を含めて真っ二つに分断されたアメリカの現状が露呈される形となりました。