歴史が変わったかも知れない大事件を奇跡的に乗り越えたトランプ前大統領は、その勢いのまま、今週、大統領選に向けた共和党全国大会に連日登場。
かつてのライバルの後押しやニューフェイスの副大統領候補指名などで支持者への強いアピールを行いました。
そして18日木曜日夜、共和党の大統領選挙候補者として正式指名を受けました。
狙撃から奇跡的に死を免れたトランプ前大統領でしたが、今回の暗殺未遂事件での、多くのアメリカメディアが シークレット・サービスや地元警察の対応の甘さを指摘しています。
特に、演壇から百数十メートルの建物からトランプ氏の狙撃を行った容疑者が、いかに警備の目を逃れてこの場所まで辿り着いたのか?ABCニュースでは、目撃情報や関係者の話などから、時系列で、容疑者の行動を再現しました。
この映像では、犯行1時間前に容疑者らしき人物が建物側を歩いている様子です。
そしてこの同じ時間に、警察が危険と見られる人物の存在を確認、20分後には、空からの映像でも射程距離内に入る容疑者が映っています。
犯行まで20分前に、屋上に上がった容疑者をシークレットサービスが目視。
6時2分にトランプ氏が演壇にたち、演説スタート。
そしてその10分後の6時12分に容疑者が発砲しました。
参加者の中にも、容疑者の動きを警告していた人がいたにも関わらず 狙撃を阻止できなかった事に、警備担当者の責任問題も問われています。
この奇跡的な出来事のすぐ後、ウィスコンシン州で行われた共和党の全国大会では、テロの圧力に屈せず片手を空に振り上げたトランプ氏を、神格化し英雄視する党員らが熱狂しました。
16日火曜日は、共和党の大統領候補として名を挙げたライバルらも登壇。
最後までその座を争ったヘイリー元国連大使も トランプ氏への支持を明確にしました。
ニッキー・ヘイリー元国連大使
「私は強力にトランプ候補を支持する それだけよ!」
17日には、副大統領候補として指名されたオハイオ州のJ.D.バンス上院議員が演説。
39歳という若さで、労働者層の出身のバンス議員は、 裕福な家庭に育ったトランプ氏とは、正反対の苦労人だとされています。
今回のトランプ氏狙撃事件に関してバンス議員は
「バイデン陣営が広めたトランプ氏への不当な評判が事件の直接の原因」 だと
痛烈に批判しました。
そして18日、トランプ前大統領は、共和党の正式な候補者として指名を受け 力強い言葉で、支持者を沸かせました。
トランプ前大統領
「今夜運命の元、正式に大統領候補の指名を受ける。ありがとう」
暗殺事件を生き延びた事実によって、数々の訴訟やトラブルなどは、全く存在しなかったかの様に共和党をまとめ上げ勢いを増す、共和党トランプ陣営。
その一方、民主党では、バイデン大統領の大統領選候補者からの撤退論の高まりに加え、17日に、バイデン大統領の新型コロナへの感染という ネガティブなニュースなどが伝えられていて、民主党内では、8月に行われる党大会の前に、大きな方針転換を打ち出すべきだ という議論が高まっています。