サンフランシスコの象徴的な建築物で観光地でもあるゴールデンゲートブリッジ。
実はこの橋は、年間30人近くが、飛び降り自殺を図る場所でもあります。
今回、この橋に自殺防止用のネットが一部にはられその完成式典が行われました。
15日月曜日、サンフランシスコ在住のナンシー・ペロシ元下院議長なども出席し、橋のたもとに数十人が参加して式典が行われました。
この自殺防止用ネットは、橋の両側の歩道からおよそ6メートル下に、長さおよそ2700メートルに渡り張り巡らせたもので、2018年から建設をスタートし今年初めに完成していました。
この日の式典には、2013年にこの橋から飛び降り自殺で亡くした母親も参加しました。
キンバリーレン・ガンボアさん
「とても社交的な子供でした
バスケチームのキャプテンでスポーツ万能でした
幼稚園からずっと同じ学校に行き、高校のシニアになったばかりでした」
息子の自殺をきっかけに、両親は、ブリッジ地区の理事会に毎回出席し自殺を抑制する対策の必要性を訴え、この自殺防止ネットの設置に漕ぎ着けました。
パオロ・シュワルツ地域広報官
「人々にもう一度生きるチャンスを与える為のものです。
ネットに落ちて命が救われれば、その人はまた生きて人生を歩めます」
ゴールデンゲートブリッジでは、過去20年間、平均で30人の自殺者がおり、ネットが建設中だった2023年も14件の自殺が確認されています。
式典に参加した、ペロシ元下院議長は、このネットは抑止にはなるが、自殺する人たちのメンタルヘルス・精神衛生にも目を向けなければならないと発言しました。
ナンシー・ペロシ元下院議長
「コミュニティーという言葉の中の『団結』によって
私たちが状況を変える事ができ、人の命を守れる」
この自殺防止ネットは、6年の歳月をかけ、2億2400万ドル、およそ355億円で完成。
資金は寄付や助成金、橋の通行料などによって賄われています。