日本でも強大化する台風が猛威をふるうなど、世界中で異常気象が続いていますが、アメリカでも、毎年、記録を更新する猛暑が各地に広がり、特に熱中症については国を挙げての対策が求められています。
全米各地で記録的な猛暑が続き熱中症などのリスクが高まっています。今週は、シカゴ周辺の中西部の州や、東部のワシントンDCなどで、猛暑に見舞われています。特にシカゴ周辺では、突発的な暴風雨もあり、一時25万人の世帯で停電となりました。
今週はじめには8000万人以上の住民が猛暑警報下にあり、専門家はこれまで以上に危険な暑さであるとしています。アメリカの医師会の調べでは、2023年の熱中症による死者は、全米で2300人を超え過去最多となり1999年から63パーセントも増加したと報告されています。
ABCニュース医療記者 ダリエン・サットン医師
「夏に体温を下げるのにも体力エネルギーが必要です。それが心臓、肺、腎臓に負担をかけ、熱中症のリスクを高めます」
8月の終わり、多くの学校が再開する中、暑さが理由で新学期の初日から子どもたちを早退させる学校が出ています。フィラデルフィア市の63の公立学校では、「冷房が不十分」という理由から2日連続で児童と生徒を早退させました。
学校関係者
「この学校はカフェテリアにも講堂にもエアコンがありません」
アイオワ州の一部の学校でも校内にエアコンがないため児童と生徒の早退を余儀なくされました。
デュラント郡公立学校 ジョー・バーネット校長
「学校は丸1年用の施設ではないためエアコンがありません。全施設にエアコンを設置するには数百万ドルの予算が必要です」
デトロイトでも早退措置が取られていますが、予定外のスケジュールに不平を漏らす保護者もいます。
生徒の親 アシュリー・ヴィーズリーさん
「猛暑が続くことも校舎にエアコン設備がないことも学校はわかっていたはずだわ」
年々暑さが厳しくなる中、連邦政府の資金を投入して全米の学校にエアコンを設置すべきだという声が高まっています。