今年の6月有人試験飛行で2人の宇宙飛行士を乗せて、国際宇宙ステーションに向けて出発したボーイングの新型宇宙船スターライナーですが、機体の不具合から、帰りの宇宙船の有人での使用を断念、宇宙飛行士が地球に帰還できるのは来年になることが発表されました。
NASA・アメリカ航空宇宙局は、24日(土)現在国際宇宙ステーションにいる2人の宇宙飛行士をボーイングのスターライナーで地球に帰還させることを断念すると発表しました。スターライナーは今年6月にフロリダから打ち上げ後、ヘリウム漏れを含む複数のエンジン不具合が確認されていました。船内の飛行士はヘリウムの影響で声が変わっています。当初8日間の計画だった試験飛行からすでに80日が経過しており宇宙飛行士の帰還が来年の2月となるとおよそ8ヶ月の延期となります。
ジム・フリーNASA探査システム開発担当副長官
「難しい判断でしたが正しい判断です」
スターライナーは来月にも無人で地球に帰還させ、2人の宇宙飛行士については競争相手であるイーロン・マスク氏率いるスペースxのクルードラゴンで来年2月に帰還するということです。
スターライナーは打ち上げまでも度々ドラブルが発生して延期されておりスペースxに比べても大きな遅れをとっています。ボーイングの宇宙事業そのものの先行きを不安視する声も出ています。ボーイングは旅客機でも飛行中にドアが外れるなど機体の不具合が相次ぎ、信頼が揺らぐなか業績も5年連続で最終赤字に陥り経営そのものの立て直しが急務となっています。
現在、国際宇宙ステーションには スターライナーの宇宙飛行士2人を含めて 9人が生活していますが 水や空気、そして食糧は 十分にあるということです。