11月の大統領選挙の投票日まで70日を切る中、共和党候補のトランプ前大統領は、激戦州の遊説に力を入れ、退役軍人への敬意を表する式典に参加するなど、支持層の拡大に精力的な選挙活動を展開しています。
先週行われた民主党全国大会では多くのメディアが、新しい党の顔となったハリス・ウォルズ陣営の熱気に包まれた会場の様子を伝えましたが、この間、トランプ前大統領は、メキシコとの国境の壁や、激戦州と言われる州の集会をめぐり、自身の支持層の拡大に奔走しました。
26日月曜日、トランプ氏は、アフガニスタンの戦争で犠牲になった海兵隊員の追悼イベントが行われたアーリントン国立墓地を訪れ献花を行いました。その後デトロイトで行われた州兵協会で演説を行い、アフガニスタンからの米軍撤退はバイデン政権の失政だとして民主党陣営を強く批判しました。
ドナルド・トランプ氏
「ハリス副大統領とバイデン大統領によって引き起こされたアフガニスタンでの屈辱は、世界中でアメリカの信頼性と尊敬を崩壊させた」
そして自分自身が再選されれば、この失策に加わった閣僚は全員解雇すると訴えました。
ドナルド・トランプ氏
「就任式の正午までに、アフガニスタンの惨事に関わった高官全員の辞表を私の机に届けさせる 知っているだろうが 私は良い仕事が出来ない者はクビにする 私が雇う者は誰も解雇しないが 今いる者はクビだ」
民主党は全国大会終了後、今週水曜日まで選挙活動を控えていましたが、トランプ氏は、この間、選挙活動のペースを速めており、特に激戦州では、規模の小さい集会にも熱心に参加しています。
ドナルド・トランプ氏
「この州で勝てば 我々はすべてに勝つ すべてに勝って我々はすべてを手にいれる」
精力的に人々の前に立ち続けるトランプ氏ですが、共和党全国大会の直前にあった暗殺未遂事件の後、身辺警護が強化される中、他にも暗殺計画があった事が判明しています。アリゾナ在住の男が、SNSにトランプ氏を殺害すると投稿。66歳のこの男には、前科があり投稿後、当局に拘束されています。
またペンシルベニア州で、演説中にトランプ氏を狙撃した容疑者の男についての行動の詳細なども報じられ、地元警察とシークレットサービスの情報共有に大きなミスがあった事が原因だと伝えられています。
記者
「別の殺害予告があった事を聞きましたか?」
ドナルド・トランプ氏
「いいや」
記者
「ここにいるのは危険だと言う人もいますが?」
ドナルド・トランプ氏
「危険だと聞いているが、私にはやるべき仕事がある」
トランプ氏は、メキシコ国境問題やロシアのウクライナ侵攻、そしてイスラエルと中東諸国の紛争などへの介入など、今の民主党政権の抱える問題への対応の多くが失策だと主張し、それを解決するのは自分自身だと強く主張。9月10日に行われる、テレビ討論までに、支持率の巻き返しを図るべく有権者へのアピールに力を注いでいます。