3日火曜日、議会で可決された下院議長の解任動議によりケビン・マッカーシー議長が、退任しました。
アメリカ議会史上初の、同党からの解任動議で空席となった議長席ですが、次期議長の任命はまだ行われていません。
先月9月30日土曜日、政府シャットダウンの回避のためマッカーシー議長が「つなぎ予算」成立に民主党側と合意したことで、同じ共和党内の保守強硬派から強い批判が出ていました。
ゲーツ議員「下院議長は一体誰のために仕事をしているのか。我々共和党側でない事は明白です」
3日に行われた解任動議の採決では、フロリダ州の共和党のゲーツ下院議員と8人の保守強硬派が、208人の民主党議員と共に賛成に回り議会史上初の、議長の解任動議が可決され、マッカーシー議長が罷免されました。
マッカーシー議長「不平を並べるより、問題をまとめる事に力を注いだ。私は自分の成し遂げた事に後悔はない。我が国の議会の構造は、妥協点を見出すように設計されている」
マッカーシー氏は、再び議長になる事はないと明言しました。これにより、議長は一時空席となり、次の議長が選出されるまで本予算の審議が続行できません。
今回の「つなぎ予算」では、財政資金が尽きる11月17日までに、本予算を通過させなければ、政府シャットダウンが現実となります。
マッカーシー議長の解任動議を主導した、ゲーツ議員ら保守強硬派に対して共和党議員らの多くが、この行動を非難しています。
モリナロ下院議員(NY州・共和党)「議会への妨害で、異常な政治ゲームでしかなく、我々にそんな暇はない」
共和党の強硬派議員らは、現在出されている予算案に対して、人工妊娠中絶の規制やウクライナ向け追加支援への反対といった条項を盛り込むよう要求していますが、下院での賛成を得られたとしても、民主党多数の上院で可決するのは不可能と見られています。
メディアでは、マッカーシー氏以外に、この共和党内での混乱を収束させられる人材がいるとは思えないと解説しながらも、共和党下院主流派のスカリス議員ら3人が後任として検討されている、と伝えています。
下院議長の後任には、なんとトランプ前大統領の名前も上がっています。下院議会のルール(憲法)で、議長は、選挙で選ばれた議員でなくても就任できる、という決まりがあります。