舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
見どころ
60年代から80年代にかけて、大ヒットを飛ばした
マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーなど
多数のアーティストの厳選された50曲。
舞台に若かりし頃のあの大スターたちが蘇る
おおおおショウワの香りーーー
私の青春時代も蘇るモータウン・ルネサンス万歳!
ストーリー
舞台は1983年、ロサンゼルスのパサデナ・シビック・オーディトリアムで開かれた
「モータウン25周年記念イベント」。
モータウン・レコード専属していたアーティストが一同に会してのイベントであったが、
モータウン創設者のベリー・ゴーディは、家族同然だったビックネームのスターが、
次々に他のレコード会社に移籍していたったことに怒り浸透し、姿を表さない。
そして場面はフラッシュ・バック。
1938年のアメリカデトロイト、ゴーディの子ども時代へ。
ボクサー志願だった少年は次第に音楽業界に興味を覚え1959年モータウン・レコードを設立。
60年代、一大レーベルに成長し大成功を収め、ダイアナ・ロスと結婚。
順風満帆のように見えたが、次々に所属アーティストが移籍。
そして離婚と・・・
前回のブログの「ああ、それなのに、それなのに〜」の続き
私的には、こうすれば"モアベター"だったかも、
という部分がありました。
1、モータウンを素材にしたアイディアは抜群、素晴らしい。
しかし、
2時間30分のショーにコーディの半生、専属アーティストたちの裏話、50曲のヒット曲集、
アレもコレも詰め込みすぎ。
ここまで、詰め込まなくても、曲目を少なくして、
じっくり聴かせるなど、緩急をつけて欲しかった
2、モータウン帝国のキング兼プロデューサーの自叙伝をベースに、
ゴーディが自ら手掛けた脚本が稚拙。
やはり、これだけの逸材なんだから、
その道のプロに依頼すべきだったのではないだろうか
3、50曲をみせるため、最大の見せ場である歌のシーンは、
まるでフジテレビ「夜のヒットスタジオ」の名物"夜ヒットオープニングメドレー"
みなさん、こんばんわーーー芳村 真理でーす!
やはりもっとじっくりと聴かせる演出が欲しかったね
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
さて、冒頭に前述したとおり、
ブロードウェイでジュークボックス・ミュージカルが脚光を浴びたのは、
ABBAのヒット曲を用いた「マンマ・ミーア!」の大ヒットから。
その後、出るわ出るわ、例えは悪いが芸能人のペニオク詐欺事件状態。
ビリー・ジョエル、エルビス・プレスリー、ビーチボーイズ、ジョン・レノン、ザ・フォーシーズンズ、
アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ジョーニー・キャッシュ、オリビア・ニュートンジョン、
フランク・シナトラ、ビートルズ、ジュリー・ガーランド、ボブ・ディランなど、
こんな中で商業的に成功(ロングラン)したのは
「マンマ・ミーア!」と「ジャージー・ボーイズ」だけ。
その「ジャージー・ボーイズ」に至っては、
ジュークボックスの分野で初、トニー賞最優秀作品賞を受賞。
これらの作品に続き、
ブルース・スプリングスティンも予定されているとか!?
もう一丁トリビア
ジュークボックス・ミュージカルにも3つの形態がある。
1、自叙伝型
2、オリジナル・ストーリー型
3、ミュージカル・レビュー型
「モータウン」は、まさに1に該当
しかし、とっちらかったてんこ盛りの脚本が仇となったことはいうまでもない。
もし、私が「モータウン」の演出家だったら
曲の全面に出した3のレビュー型ブックレス・ミュージカルにして
フルソングを楽しんでもらう。
または1のままだが、脚本の軸を
ベリー・ゴーディとダイアナ・ロスに絞り
楽曲も彼女の曲だけを選曲する。
もうこの手のミュージカルはヤメるって手もあるけど、笑
マネーマネーマネー
トニー賞ミュージカル作品賞を逃し、
ノミネートは4部門に留まったが、
劇場は湧きに湧いている!
私が観劇した日は、「懐メロものまね大会」かーというノリで
観客はかなりご満悦の様子。
チケット売り上げも好調で5月12日付けでは週1億2千万円。
今シーズンの新作ミュージカルの中では
「キンキー・ブーツ」に続き第2位という大健闘だ。
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった
素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
ミュージカル「モータウン」
ラント・フォンティーン・シアター
205 West 46th Street
New York, NY 10036
US
久々に登場したジュークボックス系ミュージカル
「モータウン」
ブロードウェイの素材としては、もう最高!
懐かしのモータウンサウンドを、
どうミュージカルに融合させたのか期待は高まった!
まず、ジュークボックス・ミュージカルとは?
大ヒットした既存の曲に、無理矢理ストーリーをくっ付けた作品のこと
(カタログ・ミュージカルとも呼ばれる)。
この系統で、現在、ブロードウェイで上演されているのは、
「マンマ・ミーア!」
(スウェーデンが生んだ男女4人組のスーパースターABBAのヒット曲を満載)と
「ジャージー・ボーイズ」
(「君の瞳に恋している」などの大ヒット曲を放ったフランキー・ヴァリとザ・フォーシーズンズ)の二つ。
モータウンと言えば、今も世界中の音楽界で幅を効かせるR&Bを
ベリー・ゴーディーという一人の男が夢と野望でもって立ち上げたレコードレーベル!
今っだに、米国の大企業のCMのBGMに使われたり
日本でも、私のだーい好きなTV東京の情報番組「5時に夢中」にも
ジャクソン5の「ABC」 がオープニングに使われているほど。
夏生様いのち
ジュークボックス・ミュージカル「モータウン」が生まれるにあたり、
ナツメロをつなぎ合わせて作る、商業的安全牌の類型としての後塵を拝し、
それこそ「マンマ・ミーヤ!」の成功に学び、
アース・ウィンド・アンド・ファイアーのミュージカル「ホット・フィート」の大コケを
反面教師として、偉大な傑作ミュージカルを作る要素は充分にあるハズ。
ああ、それなのに、それなのに〜♪
次回に続く
イメルダ夫人と言えば、
金
権力
を思いのままに
靴3000足
オーダーメイドのドレス6000着
欲望の赴くままに
自分に費やしたお金
一兆円
(IKKO さんのエステ代月350万円なんて可愛い)
そんな史上最強の悪女
イメルダ夫人がミュージカルに!
既成概念をぶっ潰す
ニューヨークならではの本作を
取り上げなかったら、
ここで私がブログやっている意味なし!
近日中にアップします!
宮沢りえの元恋人、
貴乃花のような気持ちで観劇してました、笑
焼き直しレベルに留まらず、
作り手の情熱も感じる「アニー」
トニー賞ではたった1部門だけど
リバイバル賞にノミネートされた,パチパチパチ!
トシカプ評(★★★)
アニーをもっと知りたい人のために
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
◎原作は、1920年から新聞連載されたハロルド・グレイの漫画「小さな孤児アニー」(Little Orphan Annie)。70年代初頭に作詞家マーティン・チャニングの目にとまりミュージカル化が決定! 77年ブロードウェイで初演され大ヒット。トニー賞ではミュージカル作品賞をはじめ7部門を独占。今回、15年ぶりに2度目となる再演となる。
◎物語に必要不可欠な悪役。ハニガン寮長のビッチぶりが炸裂。彼女に扮したのはトニー賞女優ケイティ・フィネラン(「プロミセス・プロミセス」)。悪かぁないのだが、97年に本役に扮した黒人のベテラン女優、故ネール・カーターが、あまりにハニガン役にハマっていたので、物足りん!フィネランは漫画チックで放埒な人生を生きるオンナというより、酒乱の寂しいオンナ。
主な登場人物
アニー・・・・・・孤児
ハニガン先生・・・意地悪でアルコール中毒の寮長
ウォーバックス・・大富豪
グレース・・・・・秘書
ストーリー
舞台は1930年代、大恐慌にあえぐ米国。
NYの孤児院で暮らしている11歳のアニーは、
寮母ハニガンの意地悪な仕打ちに耐え忍びながら、
実の両親が現れて救い出してくれる事を願っている。
そんなある日、億万長者のウォーバックス氏の秘書グレースが、
クリスマス休暇を氏の豪邸で過ごしてくれる孤児を捜しにやって来る。
アニーを偉く気に入ったグレースだったのだが・・・
子どもって無心さ故に、
大人の役者を喰っちゃう
名演技を見せる子役がいるものでね。
その反面、
子役って往々にして
末路がパッとしない
後ろめたいキワモノ的な脆弱さも・・・。
だから、安易に子どもで商売しちゃいけないのかも?
第二のマコーレー・カルキン(映画「ホーム・アローン」)
を出さない為にもさ。
小姑根性でいろいろ文句並べましたが、
投げやり、逃避に走りがちな今日この頃、
(いや、安倍さんが首相になって日本は、私も変わった・・)
「アニー」見て、気が引き締まりました!
ミュージカルって、
ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった
素晴らしいものなんですよね
私には、アニーが
どしても「魔法使いサリー」に見えてしまう!
最近のNYは、荒れた天気が続いていますが
みなさん、いかがお過ごしですか?
私は、貧乏暇無し・・
昨日は、家から一歩もでることなく
日本のあるスーパーアイドル主演作の公演プログラム用の原稿を書いてました。
実は今日が締切なのですが、まだ6割しか上がってなく
今朝は、気分転換にと、セントラルパークをランニング
さすがに、今、焦っているのですが、エンジンがかからず・・
どなたが、私にデコピンして頂戴、ww
さあ、仕事にとりかかります!
お待たせしました、
シンデレラぁ2
続きをどうぞ。
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー
(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
◎原題は「小さなガラスの靴」。ガラスの靴を履かせ、カボチャの馬車に乗せるというモチーフを付け加えたのが、フランス文学者シャルル・ペロー。それを元にディズニーがアニメ映画「シンデレラ姫」(50年)製作。現在、ブロードウェイで上演されているミュージカルは、57年、ブロードウェイ史に大きな足跡を残したロジャース&ハマースタインによって製作されたジュリー・アンドリュース主演TV映画が下敷きになったいるのさ。
◎話題を集めたのは、お笑い系作家ダグラス・カータービーン(「ザナドゥ」)を「シンデレラ」の脚本家に起用したこと(賛否両論)オスカー・ハマースタイン二世が手掛けた優雅でクラシックなストーリーは一新。プリンスの両親に代わり、アドバイザー、セバスチャンや、反逆者、ジャン・ミッチェルを設定。ママ母と義理の姉妹に虐められる、美人で不遇の主人公を描いた昼メロ風「細腕繁盛記」を強い女を強調する自立したシンデレラに仕立て上げ、面白可笑しく描いた。
◎今シーズンのトニー賞では、リバイバル賞をはじめ9部門にノミネートされる大健闘!トニー賞授賞式の6月9日、何部門で受賞できるか楽しみ!
主な登場人物
エラ(シンデレラ)・・・・ 美人で不遇の主人公
トファー・・・・・・・・・ プリンス王子
マリエ・・・・・・・・・・ 妖精のおばあちゃん
マダム・・・・・・・・・・ ママ母
セバスチャン・・・・・・・ プリンスのコモンアドバイザー
キャスト
タイトルロールを演じるのは、ローラ・オズネズ。
アイドルオーディション番組「アメリカン・アイドル」の演劇版で優勝
再演ミュージカル「グリース」(07年)でブロードウェイ・デビュー。
数作品に出演しながらも、いまいちパッとしなかったのだけど、
シンデレラが当たり役となり、ついにブレイク!
トニー賞主演女優賞確実といわれている。
が、強敵「ピピン」のリーディング・プレイヤー、パティーナ・ミラー立ち塞がっている!
(オズネズが受賞を逃したら、私から金の鳩賞を贈呈しとくわ、ww)
音楽
作詞作曲はブロードウェイ・ミュージカル界の巨匠ロジャース&ハマースタイン
「王様と私」、「南太平洋」、「サウンド・オブ・ミュージック」などを
世に送り出した天才音楽家の2人。
(日本歌謡界の音楽家に例えたら、西條八十と古賀政男・・古すぎ)
フルオーケストラが奏でる音楽誰もがどこかで聴いたことがある
甘美なメロディーの数々はカップケーキよりアマアマ。
舞台装置は楽曲にしっくり馴染み
衣装は、さながら登場人物の私物のように見える・・
なんてね、なんてね。
それほど、心動かされる。
マネーマネーマネー
4月29日から5月5日のチケットの週売上げは8500万円
(ちなみに、ライオンキングは1億8千万円!)
ブロードウェイ・ベスト10から脱落してしまったぞ
「マチルダ」の影響かも?
けれど、トニー賞を受賞すれば一発逆転ホームラーン!
チケットが飛ぶように売れるでよ。
「シンデレラ」を韋駄天走りに観に行くべし!
2013年3月3日開幕(きゃー、おひな祭りじゃん)
ブロードウェイ劇場
1681 Broadway (Bet. 52st ST and 53rd ST)
おきばりやすぅ。