舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
「パンパカパーン、パンパンパ、パンパカパン」
6月9日、第67回トニー賞が発表されましたー!
一番のサプライズは
アカデミー賞を2度受賞したハリウッド俳優トム・ハンクス(「ラッキー・ガイ」)が
主演男優賞を逃したこと!
賞をかっつぁらっていったのは
戯曲家であり俳優のトレーシー・レッツ(「ヴィージニア・ウルフなんてこわくない」)
この結果に納得できーん・・って人も多いだろうが、カプチーノ的にはオケー!
というも「ラッキー・ガイ」の脚本自体に面白みがないのだ。
しかも「ヴィージニア・ウルフなんてこわくない」に比べて
役の難易度は低く、台詞の量も少なかったしー。
そんな部分が運命の分かれ道なったのだと思ウッチャンねー。
しかし、可哀相なハンクスちゃん・・・とほほのほ
私から象印賞を贈呈しておきまーす!
ところで
以前本ブログに書いた私のトニー賞予想は100%的中!エッヘン!!
最優秀ミュージカル賞は「キンキー・ブーツ」(やはりアメ車を買えっつうことですね!?)
快挙じゃ快挙じゃ、プロデューサーの川名康浩さん、おめでとうございまーす!
次は私の出番よ!!
リバイバル賞には「ピピン」
リーディング・プレイヤー(狂言まわし)を演じたパティーナ・ミラーも主演女優賞に輝いたんだぜー!
で、そもそも「ピピン」ってどんなミュージカルなのかぁー?
歌と踊りとサーカスを見事に合体させた新体験エンターテイメントなのさ
見どころは?
◎手に汗握るアクロバティックなサーカス
◎官能的で上質なフォッシー・スタイルのダンス・ダンス・ダンス
◎ミュージカル「ウィキッド」でおなじみの作詞作曲家スティーヴン・シュワルツの
心に染みる名曲数々
肉体のエリート揃い
前述したパティーナ・ミラーは「ピピン」で大変身
ファッシースタイルのダンスを踊るため肉体改造したんだと!
トニー賞授賞式で見た彼女の体型はまるでオリンピックのアスリート。
水泳の北島康介選手も驚きの肩幅!
なんと彼女、初演後も毎日3時間のトレーニングを欠かさないんだとさー(尊敬の眼差し)
「ロングブレス」ダイエットじゃ、あーはなりまへーん。
男性陣キャストも超お美しーい。
ただ単に鍛錬された体型でなく、Hっぽいところがイイ!
まともな女子やホモは上の空の夢うつつ。
それほどエロティックなんだぜー。
いやー眼福眼福
つづく
スパイク役を演じるのは、ビリー・マグヌッセン
28歳、推定5.11フィート、190ポンド。
元AKB48のあっちゃんみたく
お顔のパーツが中央により気味だけど、
ベイビーファイスがたまりましぇーーーん!
いったい今までNYのどこに隠れていたのさーーーハニー。
罪作りな存在だよねー
ここまで読んだ方、
えがったのはソコだけかい!?って、
またツッコミいれられそうだけど
ぶっちゃけ50%はソコ!
しかーし
脚本と俳優も素晴らしスギちゃん
脚本は、クリストファー・デュラング
チェーホフの戯曲をぶち壊し、
うつ病も失業もセックスも笑い飛ばしながらも、
老いとは、家族とは、を深く抉っている。
主な登場人物は、鬱病のソーニャと彼女の世話をする作家志望のワーニャ(50代の初老ゲイ)。
そして、彼らの面倒をみる大女優マーシャ。
その恋人役に超絶フェロモン系の若いツバメ(チェーホフとは全く関係ない役柄)
アイディアが面白スギちゃんだねー
物語は、ワーニャとソーニャとマーシャ3人が、
親から譲り受けた家を売りに出すと宣言したことから大騒動へハッテンするぅーー。
ドタバタコメディながら、
人間の弱さ、孤独感、老いへの恐怖を巧妙に演じたのは、
ワーニャ役:デヴィッド・ハイド・ピアース
ソーニャ役:クリスティーン・ニールセン
マーシャ役:シガニー・ウィーバー
3人の息はピッタリ!
間の取り方も絶妙!
何気ないジョークでも観客の爆笑を誘う様は技あり!
古典落語にも通じる名人芸!
日本でお笑い(吉本新喜劇系)は軽く見られる風潮が・・
しかーし
コメディほど難しいものはナイぜよー。
今週日曜日はいよいよトニー賞授賞式
主演男優/女優賞にデヴィッド・ハイド・ピアースとクリスティーン・ニールセンの二人が。
そして、なんと奥様!
助演男優賞候補に、
超絶フェロモン男子のビリー・マグヌッセンもノミネートされている!
アレー、おタア様ぁー
大評判を受けて公演はまたまた延長され7月28日まで
みなさーん、「ワーニャとソーニャとマーシャとスパイク」を韋駄天走りに観に行くべし!
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけじゃなく
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいもんだんですね。
トシカプ評 ★★★★★
John Golden Theatre
252 West 45th Street
New York, NY 10036 US
トシカプ受賞予想(赤文字が私の受賞予想)
ミュージカル最優秀作品賞候補
チアーズ!(「Bring it on!」
クリスマス・ストーリー
キンキー・ブーツ
マチルダ
本命は「キンキー・ブーツ」と「マチルダ」二本!
両作品とも全く同じカテゴリーの賞12部門にノミネートされている。
本賞の行方だが、舞台芸術としてのクオリティの高さで言えば間違いなく「マチルダ」。
だがなにせイギリス産。
日本車じゃなくて、アメ車に乗れ!みたいな感じでアメリカ産の「キンキー・ブーツ」の勝ち!?
ミュージカル・リバイバル賞
アニー
エドウィン・ドルードの謎
ピピン
シンデレラ
「ピピン」がいい!
ミュージカルとアクロバットを融合させた
ボブ・フォッシー(「CHICAGO」、「キャバレー」)アイディアは今も斬新。
そのコンセプトを虚実皮膜のさじ加減で、演出家ダイアン・ポーラスが現代に蘇らせた。
極力な対抗馬になりえる作品は他にナシ。
今年のリバイバル賞は「ピピン」に決まり!
授賞式チケット
実は、こんなに権威ある、しかもショーとして見応えのあるトニー賞。
入場料さえ払えば、誰でも参加できる!
チケットはちとお高く275ドルから475ドル。
ちなみに、受賞候補者が陣どる劇場前方は1000ドルはくだらない・・
手配はプレスを通してとなるのだよー。
購入は劇場のボックスオフィスやオンラインでも可能。
入場にはドレスコードあり。
男性はタキシード、女性はイブニングドレスが基本。
この機会に、肩丸出しのイブニングドレスを着て冒険する・・
または、ニッポン代表文金高島田で行くものスリル満点!
パーチー、パーチー、パーチー
授賞式のあとは、カクテルパーティをお楽しみあれ!
もちろん有料、チケットはおひとり400ドルほど。
場所は例年マリオットマキースのボールルームか、ロックフェラープラザのガーデンを貸切って行われている。
シャンペンなどの飲み物とバイキングが飲み放題食べ放題・・・
お味は・・・私の手作り餃子の方が10倍ウマい、たぶん。
料理はまずいが、セレブとの写真撮影はかなりの確立で可能。
今年は、トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソンとツーショットも夢じゃない。
あなたに声をかける勇気があればの話だよ。
カクテル効果で無礼講!
アフターパーチーは、朝まで続く・・・
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった
素晴らしいものなんですよね!
トニー賞授賞式、日本では6月25日(火)の 23:45〜26:05にNHK BSプレミアムで放送されます。
ミュージカル、興味ナーイ。
英語、分からナーイ。
ニューヨーク、行ったことナーイ。
そんなナイナイづくしの貴方にこそ
見ていただきたいトニー賞授賞式。
お友達の新妻聖子ちゃんと・・
今年は6月9日NY時間午後8時から
アメリカ3大ネットワークCBSによって
全米にナマ、ナマ、ナマ、生中継!
(ザ・ベストテンも生放送でしたぁ)
やっぱナマって最高!!
超興奮するし、ドキドキ感も倍増するぅ!!!!
ナマを心置きなく堪能できるんだったら死んでもいい・・
なんてね、なんてねー。
私一人で興奮してもしゃあないんで
ミュージカルや芝居を毛嫌いしているあーたに
トシカプが目からウロコのトニー賞の見どころと
受賞予想をお届け!
故ロッキー青木さんと奥様の恵子さん
トニー賞っていったい何ぞや・・
ブロードウェイ演劇界の最高の栄誉と言われる賞
映画界でいえばアカデミー賞、音楽界でいえばグラミー賞。
別に受賞しても高松宮殿下記念世界文化賞のように
金メダルがもらえるわけでも、賞金1500万円がもらえるわけでもなく、
貰えるのはトロフィーのみ。
しかーし、
最優秀ミュージカル作品賞を受賞すれば、
全米、いや世界中から公演の引き合いが来ることはもちろんのこと、
運がよければハリウッドから映画化の話が来るのさ。
世の中、金金金よ!
見どころ
◎ プレゼンター(ゲスト)には、トム・ハンクス、シガニー・ウエイバー、スカーレット・ヨハンソンなど
超豪華な顔ぶれが予定されている。
◎ ショーの盛り上がりは尋常じゃない!
ダダダっブロードウェイ・ヒットメドレーが3分程の特別仕様で披露される。
また会場を盛り上げる観客の半数が合の手達人。
歌舞伎で言うと大向いのように、「成田屋、音羽屋、中村屋」のかけ声のアレよ。
絶妙なタイミングで拍手喝采、スタンディング・オベーションが入るから
演じる側も観る側も超キムチいいーーー。
次回に続く・・・