舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
焼き直しレベルに留まらず、
作り手の情熱も感じる「アニー」
トニー賞ではたった1部門だけど
リバイバル賞にノミネートされた,パチパチパチ!
トシカプ評(★★★)
アニーをもっと知りたい人のために
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
◎原作は、1920年から新聞連載されたハロルド・グレイの漫画「小さな孤児アニー」(Little Orphan Annie)。70年代初頭に作詞家マーティン・チャニングの目にとまりミュージカル化が決定! 77年ブロードウェイで初演され大ヒット。トニー賞ではミュージカル作品賞をはじめ7部門を独占。今回、15年ぶりに2度目となる再演となる。
◎物語に必要不可欠な悪役。ハニガン寮長のビッチぶりが炸裂。彼女に扮したのはトニー賞女優ケイティ・フィネラン(「プロミセス・プロミセス」)。悪かぁないのだが、97年に本役に扮した黒人のベテラン女優、故ネール・カーターが、あまりにハニガン役にハマっていたので、物足りん!フィネランは漫画チックで放埒な人生を生きるオンナというより、酒乱の寂しいオンナ。
主な登場人物
アニー・・・・・・孤児
ハニガン先生・・・意地悪でアルコール中毒の寮長
ウォーバックス・・大富豪
グレース・・・・・秘書
ストーリー
舞台は1930年代、大恐慌にあえぐ米国。
NYの孤児院で暮らしている11歳のアニーは、
寮母ハニガンの意地悪な仕打ちに耐え忍びながら、
実の両親が現れて救い出してくれる事を願っている。
そんなある日、億万長者のウォーバックス氏の秘書グレースが、
クリスマス休暇を氏の豪邸で過ごしてくれる孤児を捜しにやって来る。
アニーを偉く気に入ったグレースだったのだが・・・
子どもって無心さ故に、
大人の役者を喰っちゃう
名演技を見せる子役がいるものでね。
その反面、
子役って往々にして
末路がパッとしない
後ろめたいキワモノ的な脆弱さも・・・。
だから、安易に子どもで商売しちゃいけないのかも?
第二のマコーレー・カルキン(映画「ホーム・アローン」)
を出さない為にもさ。
小姑根性でいろいろ文句並べましたが、
投げやり、逃避に走りがちな今日この頃、
(いや、安倍さんが首相になって日本は、私も変わった・・)
「アニー」見て、気が引き締まりました!
ミュージカルって、
ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった
素晴らしいものなんですよね
私には、アニーが
どしても「魔法使いサリー」に見えてしまう!
先週は、ある芝居の原稿書きでアプアプ
昨日は、我が家の近くで「ジャパン・ディ」やってたのにー
一歩も外へ出ず・・・
というのも、
原稿の掲載誌の読者は業界の重鎮数多
またとない、晴れ舞台かもしれんので
鼻血出るほど踏ん張ってたんすよ!
しかし、それもおわたおわた、イェーイ!
今週はブログの更新がんばりまーーーす!
さて、本ブログで紹介した「マチルダ」と「シンデレラ」
そのライバル「アニー」を紹介しなかったら不公平
ということで、単刀直入に
「アニー」行きまshow...
難しい話は蘊蓄コーナーでするとして
絶望の中で希望を失わない孤児アニーの生き様に多くの人が共感
ありきたりないい方だけど、
多くの人に愛されているミュージカル
日本ではブロードウェイ初演の1978年から
上演が繰り返される子供ミュージカルの王道中の王道
ちなみに毎年行われるタイトルロール「アニー」のオーディション
めちゃ競争激しいらしいよー!?
見どころ
◎ 逆転満塁ホームランのハッピー・エンディングで
超判りやすいストーリー。まさしく、ミュージカルの初心者にはぴったり!
◎ニューヨークの小学校で歌合戦したら、ほぼ全員の生徒が選ぶのでは?
それほど有名は曲「トゥモーロー」をはじめとするミュージカルナンバー
◎舞台経験豊富な若干11歳のアニー役、リラ・クロウフォードの名演技、
愛らしさ、物怖じしない度胸、天まで届きそうな伸びのある歌声
私から"金の鳩賞"を贈呈しておくわ!
◎アニーと仲良し野良犬サンディ・・・動物好きには堪らないぜよ
酸いも甘いも噛み分けた
海千山千の私でも、
ほのぼのシアワセ系の
ミュージカルに心動かされ、
アニーが歌う名曲「トゥモロー」の歌声を聞いた時には
目がウルウル
続きは次回!
解りやすさ
明るさ
楽しさ
ステキだったよー!
当然のごとく登場するゲイといい、
大団円の逆転満塁ホームランという
ハッピー・エンディングといい
ブロードウェイの香りがいっぱい
一つだけ、重箱のスミの気になったトコロ
ジェリー・ミッチェルの演出
せっかく
グラミー賞シンガー、シンディ・ローパーが
自然にカラダが反応してしまう
ポップロック系のいい音楽を提供しているのに
演出とリンクできとらんから、
芝居から歌に入る時、楽曲がウマく離陸できとらんねーーー
とはいえ、ゲイの題材にしたミュージカルなので
私の恐ホモ・ジェラシーが3割増なので
あまり気にせんといてー
詳しくは、また追ってブログに書きますね!
最近のNYは、荒れた天気が続いていますが
みなさん、いかがお過ごしですか?
私は、貧乏暇無し・・
昨日は、家から一歩もでることなく
日本のあるスーパーアイドル主演作の公演プログラム用の原稿を書いてました。
実は今日が締切なのですが、まだ6割しか上がってなく
今朝は、気分転換にと、セントラルパークをランニング
さすがに、今、焦っているのですが、エンジンがかからず・・
どなたが、私にデコピンして頂戴、ww
さあ、仕事にとりかかります!
お待たせしました、
シンデレラぁ2
続きをどうぞ。
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー
(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
◎原題は「小さなガラスの靴」。ガラスの靴を履かせ、カボチャの馬車に乗せるというモチーフを付け加えたのが、フランス文学者シャルル・ペロー。それを元にディズニーがアニメ映画「シンデレラ姫」(50年)製作。現在、ブロードウェイで上演されているミュージカルは、57年、ブロードウェイ史に大きな足跡を残したロジャース&ハマースタインによって製作されたジュリー・アンドリュース主演TV映画が下敷きになったいるのさ。
◎話題を集めたのは、お笑い系作家ダグラス・カータービーン(「ザナドゥ」)を「シンデレラ」の脚本家に起用したこと(賛否両論)オスカー・ハマースタイン二世が手掛けた優雅でクラシックなストーリーは一新。プリンスの両親に代わり、アドバイザー、セバスチャンや、反逆者、ジャン・ミッチェルを設定。ママ母と義理の姉妹に虐められる、美人で不遇の主人公を描いた昼メロ風「細腕繁盛記」を強い女を強調する自立したシンデレラに仕立て上げ、面白可笑しく描いた。
◎今シーズンのトニー賞では、リバイバル賞をはじめ9部門にノミネートされる大健闘!トニー賞授賞式の6月9日、何部門で受賞できるか楽しみ!
主な登場人物
エラ(シンデレラ)・・・・ 美人で不遇の主人公
トファー・・・・・・・・・ プリンス王子
マリエ・・・・・・・・・・ 妖精のおばあちゃん
マダム・・・・・・・・・・ ママ母
セバスチャン・・・・・・・ プリンスのコモンアドバイザー
キャスト
タイトルロールを演じるのは、ローラ・オズネズ。
アイドルオーディション番組「アメリカン・アイドル」の演劇版で優勝
再演ミュージカル「グリース」(07年)でブロードウェイ・デビュー。
数作品に出演しながらも、いまいちパッとしなかったのだけど、
シンデレラが当たり役となり、ついにブレイク!
トニー賞主演女優賞確実といわれている。
が、強敵「ピピン」のリーディング・プレイヤー、パティーナ・ミラー立ち塞がっている!
(オズネズが受賞を逃したら、私から金の鳩賞を贈呈しとくわ、ww)
音楽
作詞作曲はブロードウェイ・ミュージカル界の巨匠ロジャース&ハマースタイン
「王様と私」、「南太平洋」、「サウンド・オブ・ミュージック」などを
世に送り出した天才音楽家の2人。
(日本歌謡界の音楽家に例えたら、西條八十と古賀政男・・古すぎ)
フルオーケストラが奏でる音楽誰もがどこかで聴いたことがある
甘美なメロディーの数々はカップケーキよりアマアマ。
舞台装置は楽曲にしっくり馴染み
衣装は、さながら登場人物の私物のように見える・・
なんてね、なんてね。
それほど、心動かされる。
マネーマネーマネー
4月29日から5月5日のチケットの週売上げは8500万円
(ちなみに、ライオンキングは1億8千万円!)
ブロードウェイ・ベスト10から脱落してしまったぞ
「マチルダ」の影響かも?
けれど、トニー賞を受賞すれば一発逆転ホームラーン!
チケットが飛ぶように売れるでよ。
「シンデレラ」を韋駄天走りに観に行くべし!
2013年3月3日開幕(きゃー、おひな祭りじゃん)
ブロードウェイ劇場
1681 Broadway (Bet. 52st ST and 53rd ST)
おきばりやすぅ。
自分で初更新しました。
この続きは次回ね!