舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
「キンキー・ブーツ」とは・・・・
キャバレーシンガーのドラッグクイーンが、
世知辛い世の中を、いかにして乗り切るか
ストレート(ノンケ)諸君に伝授するハートフル・コメディ。
登場人物
チャールズ・・・靴工場の若社長
ローラ・・・・・ドラッグクイーン
ローレン・・・・靴工場の女社員
ニコラ・・・・・チャールズの恋人
ドン・・・・・・靴職人
ストーリー
イギリスの田舎町ノーザンプトンを舞台に、
倒産寸前の靴工場の若社長とドラッグクイーンがタッグを組んで
会社の起死回生を図る
見どころ
◎ゲイの独特の美意識から生まれる妖艶なドラッグクイーンの狂演。
ブロードウェイの超一流ダンサーによる官能的な歌と踊りにやられちゃって下さい。
◎真っ赤なキンキー・ブーツ。
「銭かけてんなーー!」ってなロンブーに観客は「おーーーざわざわざわ」ってな感じ。
「こまっちゃうなー」の山本リンダに履かせたらきっとハマるぜよ。
◎シンディ・ローパーの音楽は圧巻。
自然にカラダが反応してしまうポップ系から心揺さぶられるバレード系まで、
何にもしなくてもぶっ飛んじゃうシンディ・ローパーの世界観が、
カラダ中にビュンビュンに走りまくる!
近年のブロードウェイ・オリジナル・ミュージカルの中では断トツの素晴らしさ。
ちなみに私のお気に入りは、「I am not my father's son」。
切々と歌うローラの歌に私は涙ちょちょぎれだった。
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
ブロードウェイの天才振付御三家といえば、
ボブ・フォッシー(「スウィート・チャリティ」、「ピピン」),
ジェローム・ロビンス(「ウエストサイド物語」)、
マイケル・ベネット(「コーラス・ライン」)。
その後継者として、今期待されているのが、
「キンキー・ブーツ」の振付家ジェリー・ミッチェル
2002年、大ヒットミュージカル「ヘアスプレー」の振付で
注目を浴びた彼は、ほぼ毎年、新作の振付を担当。
最近は演出家としても活躍し、
かなり高評価されているよう
これもすべてミッチェル様のゲイ歴30年の蓄積のたまもの、玉なのよ!!
2011年「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」振付
2010年「プリシラ」スーパー・バイザー
2007年「キュティ・ブロンド」演出・振付
2005年「ペテン師と詐欺師」振付
2004年「ラカージョー・ホール」振付
2003年「ネバ・ゴナ・ダンス」振付
2002年「ヘアスプレー」振付
2000年「ロッキー・ホラー・ショー」振付
2000年「フル・モンティ」振付
重箱の隅を突かせてもらうと
彼の振付は、どちらかというと器械体操的
ドキドキするエロさや彼独特のスタイルがないこと
もっと工夫を凝らした斬新なダンスを期待したい。
キャスト
主人公ドラッグクイーンのローラを演じるのはビリー・ポーター。ノッテるね〜。
そりゃそうだ、彼のブロードウェイの舞台は
ジュークボックス・ミュージカル「スモーキー・ジョーズ・カフェ」以来13年ぶり。
まさにシンデレラ・ボーイの誕生だね!
役作りにおいては、
NYの人気ドラッグクィーン・レストランバー「ラッキー・チェン」にいてもおかしくない
スタンダードなオカマぶりに存在感があってよろしいなー。
また全てをかなぐり捨てて、生まれたままの姿で頑張りますって姿勢にも好感がモテる。
今年のトニー賞の主演女優賞、じゃくて主演男優賞は彼に確定したようなもん!?
さて、トニー賞授賞式はもうすぐ。
最優秀ミュージカル作品賞は・・・
アメリカ代表「キンキー・ブーツ」か、イギリス代表「マチルダ」か!?
どちらに勝利の女神が微笑むのだろうねー。
大団円の逆転満塁ホームランのスッキリ爽やかミントガム系ミュージカル「キンキー・ブーツ」
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけじゃなく
ほんっとうに役に立つ人生訓ばギュっと詰まった素晴らしいもんだんですね。
トシカプ評 ★★★★
Al Hirschfeld Theatre
302 West 45th Street
New York, NY 10036
US
アメリカンチェリーの季節になりましたぁ。
みなさーん、いかがお過ごしですか?
昼はエンタメご意見番、夜はミックスルームの大女優トシ・カプでーす。
さてさて、
20世紀のミュージカル作曲家の両雄といえば
超ド級の大ヒット作「オペラ座の怪人」のアンドリュー・ロイド=ウェイバー様と、
永遠の名作「ウエストサイド物語」のレナード・バーンスタイン様。
「オペラ座の怪人」は、いまだに旅行者に大人気。
今年で25年目に突入したロングラン作品。
一方「ウエストサイド物語」は、ブロードウェイで4度再演され、
世界中で繰り返し上演され続けている不朽の名作!
21世紀に入るとブロードウェイにグラミー賞ソングライターが進出
先手を切ったのはエルトン・ジョン(「アイーダ」)。
それに続きU2(「スパイダーマン」)。
そして、今シーズン、ブロードウェイに進出したのはシンディー・ローパー!
というても、平成生まれのレディー・ガガ世代にはいまいちピンとこんだろうが、
ボーボーのまゆ毛とワンレン!なんかが大流行していた1980年代に
全米ヒットチャートを席巻、マドンナと人気を二分する歌姫だったのよ。
正直いってシンディー・ローパーに関しては、
ありきたりの浅ーい知識しかない私。
当時の私はマドンナ一辺倒。(今のレディー・ガガみたいな感じ)
オネエ連中の外タレといえばマドンナみたいな・・・。
おばちゃん個人的には「ハイスクールはダンステリア」は、
彼女のヒット曲の中でも、屈指っていうくらいしかなく、CDも買うたことナシ。
私にとって、その程度しかなかったクイーン・オブ・ポップの彼女が
楽曲を提供したミュージカルが「キンキー・ブーツ」なのさ
果たして、どの出来は???
「大したたまげた」淡谷のり子風
\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
OMG OMG オー・マイ・ガッド
素晴らしすぎる!!!
見どころ
60年代から80年代にかけて、大ヒットを飛ばした
マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーなど
多数のアーティストの厳選された50曲。
舞台に若かりし頃のあの大スターたちが蘇る
おおおおショウワの香りーーー
私の青春時代も蘇るモータウン・ルネサンス万歳!
ストーリー
舞台は1983年、ロサンゼルスのパサデナ・シビック・オーディトリアムで開かれた
「モータウン25周年記念イベント」。
モータウン・レコード専属していたアーティストが一同に会してのイベントであったが、
モータウン創設者のベリー・ゴーディは、家族同然だったビックネームのスターが、
次々に他のレコード会社に移籍していたったことに怒り浸透し、姿を表さない。
そして場面はフラッシュ・バック。
1938年のアメリカデトロイト、ゴーディの子ども時代へ。
ボクサー志願だった少年は次第に音楽業界に興味を覚え1959年モータウン・レコードを設立。
60年代、一大レーベルに成長し大成功を収め、ダイアナ・ロスと結婚。
順風満帆のように見えたが、次々に所属アーティストが移籍。
そして離婚と・・・
前回のブログの「ああ、それなのに、それなのに〜」の続き
私的には、こうすれば"モアベター"だったかも、
という部分がありました。
1、モータウンを素材にしたアイディアは抜群、素晴らしい。
しかし、
2時間30分のショーにコーディの半生、専属アーティストたちの裏話、50曲のヒット曲集、
アレもコレも詰め込みすぎ。
ここまで、詰め込まなくても、曲目を少なくして、
じっくり聴かせるなど、緩急をつけて欲しかった
2、モータウン帝国のキング兼プロデューサーの自叙伝をベースに、
ゴーディが自ら手掛けた脚本が稚拙。
やはり、これだけの逸材なんだから、
その道のプロに依頼すべきだったのではないだろうか
3、50曲をみせるため、最大の見せ場である歌のシーンは、
まるでフジテレビ「夜のヒットスタジオ」の名物"夜ヒットオープニングメドレー"
みなさん、こんばんわーーー芳村 真理でーす!
やはりもっとじっくりと聴かせる演出が欲しかったね
ちょっと専門的に蘊蓄コーナー(トリビアを披瀝したい人だけどうぞ)
さて、冒頭に前述したとおり、
ブロードウェイでジュークボックス・ミュージカルが脚光を浴びたのは、
ABBAのヒット曲を用いた「マンマ・ミーア!」の大ヒットから。
その後、出るわ出るわ、例えは悪いが芸能人のペニオク詐欺事件状態。
ビリー・ジョエル、エルビス・プレスリー、ビーチボーイズ、ジョン・レノン、ザ・フォーシーズンズ、
アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ジョーニー・キャッシュ、オリビア・ニュートンジョン、
フランク・シナトラ、ビートルズ、ジュリー・ガーランド、ボブ・ディランなど、
こんな中で商業的に成功(ロングラン)したのは
「マンマ・ミーア!」と「ジャージー・ボーイズ」だけ。
その「ジャージー・ボーイズ」に至っては、
ジュークボックスの分野で初、トニー賞最優秀作品賞を受賞。
これらの作品に続き、
ブルース・スプリングスティンも予定されているとか!?
もう一丁トリビア
ジュークボックス・ミュージカルにも3つの形態がある。
1、自叙伝型
2、オリジナル・ストーリー型
3、ミュージカル・レビュー型
「モータウン」は、まさに1に該当
しかし、とっちらかったてんこ盛りの脚本が仇となったことはいうまでもない。
もし、私が「モータウン」の演出家だったら
曲の全面に出した3のレビュー型ブックレス・ミュージカルにして
フルソングを楽しんでもらう。
または1のままだが、脚本の軸を
ベリー・ゴーディとダイアナ・ロスに絞り
楽曲も彼女の曲だけを選曲する。
もうこの手のミュージカルはヤメるって手もあるけど、笑
マネーマネーマネー
トニー賞ミュージカル作品賞を逃し、
ノミネートは4部門に留まったが、
劇場は湧きに湧いている!
私が観劇した日は、「懐メロものまね大会」かーというノリで
観客はかなりご満悦の様子。
チケット売り上げも好調で5月12日付けでは週1億2千万円。
今シーズンの新作ミュージカルの中では
「キンキー・ブーツ」に続き第2位という大健闘だ。
ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、
ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった
素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
ミュージカル「モータウン」
ラント・フォンティーン・シアター
205 West 46th Street
New York, NY 10036
US
久々に登場したジュークボックス系ミュージカル
「モータウン」
ブロードウェイの素材としては、もう最高!
懐かしのモータウンサウンドを、
どうミュージカルに融合させたのか期待は高まった!
まず、ジュークボックス・ミュージカルとは?
大ヒットした既存の曲に、無理矢理ストーリーをくっ付けた作品のこと
(カタログ・ミュージカルとも呼ばれる)。
この系統で、現在、ブロードウェイで上演されているのは、
「マンマ・ミーア!」
(スウェーデンが生んだ男女4人組のスーパースターABBAのヒット曲を満載)と
「ジャージー・ボーイズ」
(「君の瞳に恋している」などの大ヒット曲を放ったフランキー・ヴァリとザ・フォーシーズンズ)の二つ。
モータウンと言えば、今も世界中の音楽界で幅を効かせるR&Bを
ベリー・ゴーディーという一人の男が夢と野望でもって立ち上げたレコードレーベル!
今っだに、米国の大企業のCMのBGMに使われたり
日本でも、私のだーい好きなTV東京の情報番組「5時に夢中」にも
ジャクソン5の「ABC」 がオープニングに使われているほど。
夏生様いのち
ジュークボックス・ミュージカル「モータウン」が生まれるにあたり、
ナツメロをつなぎ合わせて作る、商業的安全牌の類型としての後塵を拝し、
それこそ「マンマ・ミーヤ!」の成功に学び、
アース・ウィンド・アンド・ファイアーのミュージカル「ホット・フィート」の大コケを
反面教師として、偉大な傑作ミュージカルを作る要素は充分にあるハズ。
ああ、それなのに、それなのに〜♪
次回に続く
イメルダ夫人と言えば、
金
権力
を思いのままに
靴3000足
オーダーメイドのドレス6000着
欲望の赴くままに
自分に費やしたお金
一兆円
(IKKO さんのエステ代月350万円なんて可愛い)
そんな史上最強の悪女
イメルダ夫人がミュージカルに!
既成概念をぶっ潰す
ニューヨークならではの本作を
取り上げなかったら、
ここで私がブログやっている意味なし!
近日中にアップします!
宮沢りえの元恋人、
貴乃花のような気持ちで観劇してました、笑