舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。
いよいよ間近に迫ったトニー賞の行方を占う上で、
かなり参考になるのが、先日行なわれた、ドラマ・デスク賞。
実はわたくし、このドラマ・デスク賞の審査員を
ここ10年程務めさせていただいておりまして・・・
今日は、その授賞式の模様をお伝えいたします。
先ず簡単に、そもそもドラマ・デスク賞ってどんな賞なのかを
トニー賞と比較しながら、説明致しますと・・・
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トニー賞は・・・
タイムズスクエア中心に位置する500席以上の劇場で上演される
ブロードウェイ作品だけを対象とした賞。
一方、ドラマ・デスク賞は・・・・・
ニューヨークであれば、劇場の場所に関係なく、
オフオフ(100席以下) オフ(200席以下)、ブロードウェイ(500席以上) で
上演されるすべての作品が対象。
でもね、
ハリウッドのアカデミー賞の前哨戦としてゴールデン・グローブ賞でもって、
後発のアカデミー賞を予想するみたいに、ドラマ・デスク賞で、
かなり信憑性のある予測が可能になっちゃうのさ。
授賞式会場はタイムズスクエア43丁目にある、
1500席のタウンホール。
当日の会場前は、人人人、トニー賞に負けない熱気。
昨年のブロードウェイ演劇界でもっとも注目を浴びた俳優のひとり、
ビリー・ポーターの姿も・・・
(自信に溢れたオーラが・・俺もやったるぜー!)
トニー賞ほど、華やかな舞台装置や演出がない代わりに、
ドラマ・デスク賞は、関係者など来場している人たちの温かさで、
とてもアットホームな雰囲気!
女優ローラ・ベルナンティのMCで和やかな授賞式がスタート。
この日は28個の賞が発表されました。
その中から、トニー賞を占う上で、気になる賞ごご案内
アウトスタンディング男優賞
私予想では「ジェントルマンズ・ガイド」のジェファーソンズ・メイズ。
が、
まさかの同票数(タイ順位)となり、
候補者6名の中から選ばれたのは2人とは・・
「ジェントルマンズ・ガイド」のジェファーソンズ・メイズと
「ヘドウッグ」のニール・パトリック。
なんか政治的な臭いがする・・・
ジェファーソンズ・メイズと筆者
めちゃくちゃピンぼけやん・・カメラマンさん
アウトスタンディング女優賞
並みいる強敵の中で、頂点にたったのは
私の予想どおり、「ビューティフル」のジェシー・ミューラー。
過去には、無名の歌手バーブラ・ストライザンドが
ブロードウェイ出演をきっかけに
一夜にして大スターになる神話があるが、
まさにミューラーのその流れを継いでいるかも?
トニー賞でも同賞を授賞する可能性がますます濃厚に!!!
ミューラーと私・・
益々,ぼけぼけやん、クビじゃ!
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その他、ディズニーミュージカル「アラジン」で圧倒的な存在感で
デブで温厚な魔人ランプ、ジーニーを演じるジェイムズ・モンロー・アイグルハート。
ノッテルねぇー・・本賞で圧倒的な強さでアウトスタンディング助演男優賞受賞!
こちらもトニー賞助演男優賞間違いなし!
余談だが、私の友人が、日本の「アラジン」翻訳版のジーニー役は
トシちゃんしかいない!」と断言。
本人かなりその気になっているんですが・・笑
ジェイムズと私。これいい感じ・・
アウトスタンディング・リバイバル・ミュージカル賞は・・・
『ヘドウッグ」
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今年はニール・パトリック・ハリス大感謝祭の勢い。
トニー賞でもこれに賞が行くことはほぼ確実かぁ!
そして、注目のアウトスタンディング・ミュージカル作品賞は・・・ドロドロ
「紳士のための愛と殺人の手引き」
(原題:A Gentleman's Guide to Love & Murder)
ロイ・ホリマンが手掛けた1907年の小説をベースにした
ヴィクトリア朝に材を採った大人向けのコメディは強かった!
ドラマ・デスク賞では7部門の賞を獲得!
「A Gentleman's Guide」でアウトスタンディング演出賞を獲得したダルコ・トレズニヤック
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ここで、トシカプのトニー賞ミュージカル部門受賞大予想
(赤文字が私の受賞予想)
■最優秀ミュージカル作品賞
『アフター・ミッドナイト』
『アラジン』
『ビューティフル』
『紳士のための愛と殺人の手引き』
■最優秀ミュージカル脚本賞
チャド・ベグリン(アラジン)
ダグラス・マクグラス(ビューティフル)
ウディ・アレン(ブロードウェイと銃弾)
ロバート・L・フリードマン(紳士のための愛と殺人の手引き)
■最優秀楽曲賞
『アラジン』(作曲=アラン・メンケン 作詞=ハワード・アシュマン/ティム・ライス/チャド・ベグリン)
『マディソン郡の橋』(作詞作曲=ジェイソン・ロバート・ブラウン)
『紳士のための愛と殺人の手引き』(作詞曲=スティーヴン・ルトヴァク,作詞=ロバート・L・フリードマン)
『イフ/ゼン』(作曲=トム・キット 作詞=ブライアン・ヨーキー)
■リバイバル賞
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
『レ・ミゼラブル』
『ヴァイオレット』
■最優秀男優賞
ニール・パトリック・ハリス(ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)
ラミン・カリムルー(レ・ミゼラブル)
アンディ・カール(ロッキー)
ジェファーソン・メイズ(紳士のための愛と殺人の手引き)
ブライス・ピンカム(紳士のための愛と殺人の手引き)
■最優秀女優賞
メアリー・ブリジット・デイヴィス(ジャニス・ジョプリンとの夕べ)
サットン・フォスター(ヴァイオレット)
イディナ・メンゼル(イフ/ゼン)
ジェシー・ミューラー(ビューティフル)
ケリー・オハラ(マディソン郡の橋)
■最優秀助演男優賞
ダニー・バースティン(キャバレー)
ニック・コルデロ(ブロードウェイと銃弾)
ジョシュア・ヘンリー(ヴァイオレット)
ジェイムズ・モンロー・アイグルハート(アラジン)
ジャロッド・スペクター(ビューティフル)
■最優秀助演女優賞
リンダ・イーモンド(キャバレー)
リナ・ホール(ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)
アニカ・ラーセン(ビューティフル)
エイドリアン・レノックス(アフター・ミッドナイト)
ローレン・ウォーシャム(紳士のための愛と殺人の手引き)
最優秀演出賞
ウォレン・カーライル(アフター・ミッドナイト)
マイケル・メイヤー(ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)
リー・シルヴァーマン(ヴァイオレット)
ダルコ・トレズニヤック(紳士のための愛と殺人の手引き)
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FCIの朝の情報番組モーニングEYEでもトニー賞企画番組を制作。
トシ・カプチーノと阿部知代のトニー賞大予想を6月5日放送します。
皆さん、是非、御覧下さい。
ブロードウェイって、ミュージカルって、しゃれとんしゃーよねぇ!
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今年のトニー賞授賞式は6月8日 (日)午後8時から
レッドカーペットが世界一似合う
ラジオシティ・ミュージックホールで執り行われる。
その模様は、米三大ネットワークCBSによって生放送。
日本へはWOWOWによってナマ中継される!
親愛なる皆さま、
メモリアルデーも過ぎて、いよいよ夏本番♪
夏だ、マツリだワッショイ、ワッショイ♪♪
マンハッタンの夏一番の、お祭りと言えば、
元気いっぱい、トシカプのキャバレー・ショーだよ、
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ワッショイ、ワッショイ♪♪♪
昨年末の歌謡シャンソンショーが、
大方の予想に反しまして(ひどいっ)大変ご好評を頂きまして、
私、調子に乗ってガンガン興行を打ってます。
8回目となる今回の劇場はNYのゲイバーDUPLEX。
マンハッタンのキャバレー・スペースとしては最古参。
あのウディ・アレン様
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ジョアン・リヴァース様
も出演した、伝説のキャバレーなんですヨ。
今回のショーのタイトルは「シャンソンはミュージカル、人生は舞台」。
圧倒的な歌唱力に裏打ちされた、笑いあり、涙ありの90分。
みなさまの♡をズビズバ直撃!!
カプチーノ、完全いっちゃいます!
カプチーノ、メーター振り切っちゃいます!
カプチーノ、弾けます!
カプチーノ、自力でぶっ飛んじゃいます!
ちょこっとプレヴュー
美輪明宏さんの名曲「ヨイトマケの唄」を初披露。
他には越路吹雪さんのシャンソンもたっぷりお聴かせ致します。
残席僅か!
マスコミ業界の方の大歓迎!
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善は急げ!
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日時:5月30日(金) 時間:午後6時30分開演 (開場午後6時)
料金:カバーチャージ10ドル(2ドリンク代が別途必要)
場所:The DUPLEX CABARET THEATRE
住所:61 Christopher St, Manhattan, NY 10014
予約:電話 (212) 255-5438
オンライン:http://www.theduplex.com/~thedup/webcalendar/view_entry.php?id=8543&date=20140530
協賛:IACE TRAVEL USA様
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シャンソンのイメージを覆す新しいタイプのショーをお見逃しなく!
カプチーノって、 舞台芸術評論家だけじゃなく、
どえりゃあ、エンターテイナーでもあったんですね!
つい数週間前に「ヘドウィグ」という女装が主人公の舞台を、
得意げに述べさせて頂き、
その舌の根もマニキュアも乾かぬというのに、
今度は女装癖のおっさん達の出てくる芝居
「カサ・ヴァレンティーナ」のご紹介でございます。
もーそんなもんばっか・・・・なんて言わんでねぇー。
別に、ソッチネタをゴリ推しする積もりは全くないんだけど・・・
実際ブロードウェイの舞台は性的倒錯テーマが余程お好きなようでして
ただし、
この「カサ・ヴァレンティーナ」に出てくる女装愛好者たちは、
れっきとした異性愛者。
つまり
女の格好や化粧をしつつも、
肉欲ベクトルは異性である女性に向けられてるっつーんだから、
海千山千の私ですら、人生いろいろ、スケベもいろいろ♪
なんて感慨に浸っちゃうワケなのよー。
この、どっちかつーとマイナー芝居の注目点はと言うと、
何と言っても、
脚本のハーヴェイ・ファイアスタインおじさん!
ウディ・アレンが、
なんとなく
日向のマンハッタン・アップタウン・ジューイッシュ代表選手だとしたら、
ファイアスタインは、
影のブルックリン出身の
アングラ・ジューイッシュおネエ様とでも申しましょうか?
これまでにも実にエグーい問題作を発表し続けておられる、
知る人ぞ知る御方なのでごじゃります。
では、このハーヴェイさんの足跡を辿ってみましょう・・・
◎自伝的要素の濃い「トーチソング・トリロジー」を脚本&主演でトニー賞受賞。 ,
オフ・ブロードウェイ → オン・ブロードウェイ → ウエストエンド → 映画
◎脚本を担当した、「ラ・カージュ・オ・フォール」はあとに映画化され、パート3まで作られた。,
ブロードウェイ → ウエストエンド
◎ヒット映画のミュージカル版の脚本を担当した「キンキー・ブーツ」,
ブロードウェイで絶賛上演中!
ねー?
演劇&映画ツウのあーたなら、グッとくるよな経歴なのよ!
ストーリーは
1960年代のアメリカ郊外、
ジョージ(女装時の名前はヴァレンティーナ)とその妻リタの家に、
全米から女性愛好者が集まり、
女装でパーティを楽しんでいたのだが・・ ・
60年代と言えば、
ゲイでなくても女装好きなんてゼッタイに口に出せなかった時代。
社会に生き抜くために、自分の女装癖をひた隠し。
保守的な男を演じていたのよね・・・
演出は・・・
ブロードウェイの売れっ子演出家のひとり、ジョー・マンテロ様。
爆発的なヒットとなりロングランを続けている
ミュージカル「ウィキッド」は彼の代表作!
本作では、サラリーマンや判事の保守的なおっさんたちが、
女装することで至福と時を過ごしている様子が実に良く表されているんだなぁー。
見ているこっちも自然にチャンチャンブギィな気分になっちまったよー。
見どころ・・・
◎今ニッポンの芸能界で脚光を浴びてる、
いわゆる女装好きゲイの方々に比べると
ゴクフツーの男性の女装姿はある意味光景ながら新鮮。
一口に女装と言っても、ゲイの女装家とは、全然違うの! 服やメイクもナンカ独特。
◎強者のキャスト陣
特に7名の男性陣の変身ぶりはあっぱれ!
それぞれが、庶民的オバちゃんタイプから、有閑マダム風まで
女装前の表の顔を引きずった様な個性的変貌を遂げるんだー。
と、題材はユニークなのだけれど・・・
芝居の後半戦、トランスベスタイトと言う倒錯の心理学的考察やら、
劇中で起きる脅迫事件についての説明が延々と続くのはちとしんどい。
もちっと役者さん達の、台詞以外の表現力や、お客さん達の、
言外の物語を汲み取る能力を信用したって良いんじゃない? って思っちゃった。
ファイアスタインさんの脚本、ちょっと肩に力はいり過ぎじゃないかぁー!?
もし、この女性癖の男性たちを日本人がヤルとすると・・・
その一人に是非
板東英二様を!
どこにでも居そうな フツーなおじ様ならではの、
味わい深ーい女装になりそう・・・
最近芸能界に復帰されたそうで・・・
ここで一発、問題作にチャレンジされて、
大変身を遂げるキッカケになるかも。
大好きなゆで卵の殻を剥く様に!
本作は6月29日で閉幕
ブロードウェイ・ミュージカルって楽しいだけでなく、
役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★★
Samuel J. Friedman Theatre
261 West 47th Street
New York, NY 10036
ブロードウェイ演出家って・・・
TV・映画の世界で言えば、監督
畑違いだが、航空会社で言えばパイロット
寿司職人もある意味、食の演出家。
ミュージカルの演出家とは、脚本、役者、舞台装置、照明、音楽を組み合わせて
大局的に様々な意思決定をしてまとめあげる人。
つまり、ショーの成功を左右する責任重大な職業なのさ!
ブロードウェイには、自称演出家を名乗る人が腐る程いるが、
Gay術的な人はほんの一握り。
その中の代表格のひとりが
スーザン・ストローマン様
2000年にブロードウェイ史上最高傑作と言われた
ミュージカル・コメディ「プロデューサーズ」を演出振付。
切磋琢磨の末、ブロードウェイで不動の地位を築いた女性演出家なのさー。
そんな彼女が、演出振付家として取り組んだのが
今回紹介する新作ミュージカル
「ブロードウェイと銃弾」
ハリウッド映画界の重鎮、ウディ・アレン脚本の映画版(94年)の舞台化で
ミュージカルと抜群に相性のいい"バックステージもの"なんだ!
いいね!
とくりゃー映画やミュージカル・ファンだけでなく、
演劇関係者の多くが「プロデューサーズ」に続く大ヒットをなるのでは
とワクワクハラハラだったわけさ。
ストーリーは
舞台は1920年代のNYブロードウェイ。
売れない脚本家デイヴィットは漸く新作の脚本を完成させるのだが、
なかなかスポンサーが見つからない。
そんな時、あるギャングの親分からスポンサーになる代わりに、
自分の愛人を主役にする条件を突きつけられる。
日本の芸能界でもよくある話じゃなーいの??
バーターってのもあるよねぇー、笑
デイヴィットはしぶしぶそれを承諾しリハが開始するのだが、
次々に問題発覚し・・・。
音楽は・・・
オリジナルで勝負するかと思いきや
狂騒の20年代に流行した音楽家デューク・エリントンや
ビックス・バイダーベックのジャズなど
その時代を背景にした既存のジャズナンバーを使用。
ということは、本作は・・・
映画を舞台化しただけでなく
既存曲も使った新種のジュークボックス系
いくらなんでも、ちと手を抜き過ぎじゃあーりませんか!?
気になるキャスティングは・・・
主演はブロードウェイ・デビューのザック・ブラフ
彼のプロフィールがウィキペディアに日本語で出て来るくらいだから、有名人?
映画デビューはウッディ・アレンの『マンハッタン殺人ミステリー』(93年)
もちのろん、その映画は見たが、彼が出演していたことに全く気づかず。
本作でも主役ながら、影が薄いのよねぇー。
しかも、天然っぽく、男の色気も必要なこの役に
彼は向いていないんだなぁー・・・
キャスティングした担当者の責任は重いねぇ!
私が観劇した当日、カーテンコールで一番拍手が多かったのは・・
ボディガードのチーチ役、ニック・コルデオ(トニー賞助演男優賞にノミネート)
他のキャストが映画の面白キャラに近づこうと必死こいていたのに比べて
彼は力が抜けた自然な演技で観客を沸かせていたね!
この作品の見どころは唯一彼かもしれない・・・
私の大好きな映画だけにちと寂しいスギちゃん。
トニー賞では6部門にノミネートされるが、
最優秀ミュージカル作品候補には涙を飲んだ本作。
素材は良いのだけどね・・・
スーザン・ストローマン様の演出がねぇー・・・
ウィディ・アレンの笑いって、脳みそでクスクス笑ってしまう
ライトなユーモアの連続
それに対し、本作ってドタバタうるさく、超わざとらしいシーンばかり。
ハッキリ申すと、「プロデューサーズ」の自分の演出振付を真似た感が否めないのさー。
トニー賞史上初12部門賞を獲得した「プロデューサーズ」で
成功したストローマンだけど、
そのあまりに大き過ぎる成功の後で、
果敢に新しい演出方法に挑戦出来ずに、
守勢に回っちゃったのかも?
頂点を登り詰めたアーティストにとっての最大の敵は、
他でもない自分自身っつー痛切な現実に
思いを馳せずにはおれなんだー。
キビシカネェー。
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もしもコレを日本人がやるとしたら
太川陽介様
「LUI- LUI」がヒットした太川陽介様の肩の力が抜けた洒脱さで、
本作もドタバタ喜劇から、シャレオツ・コメディーに化身でけるかもよー!?
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の太川様から
「ミュージカル・スター」の太川様へ・・・いかがでしょうか?
ブロードウェイ・ミュージカルって楽しいだけでなく、
役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★
St. James Theatre
246 West 44th Street
New York, NY 10036
既にご存知の方もおられるかと思いますが、4月29日に
第68回トニー賞ノミネート作品が発表されました!
そん中の、ミュージカル・リバイバル賞候補作品で
居並ぶ有名作品に混じっていたのが今回ご紹介する
「ヴァイオレット」
いわゆる、穴馬、ダークホースちゅーヤツですねー。
なんてったって・・・
同じ枠内に世界中から大注目の「レ・ミゼラブル」や、
今、ブロードウェイでいっちゃんチケット入手が困難を極める「ヘドウッグ」
なんかがひしめき合っているのですから、
ショーワっ子のアタシなんざ思わず、
走れ〜走れ〜コータロォー と口ずさんじゃったりして・・・笑。
ヴァイオレット? なんじゃ、ソリャ?
ミュージカルが3度の飯より好き! ってな人は知っているだろうけど・・
普通の人は知らんわなーー。
そんなコアなミュージカルが
リバイバル賞候補作のノミネートされたわけさ。
その「ヴァイオレット」が初演されたのは16年のオフ・ブロードウェイ。
当時はそんなに大きな話題にもならず、
そのまま静かに眠ってらっしゃったのじゃが
昨年夏に行われた一日限定のコンサート形式のショーに
本作が引っ張り出され、再び脚光を浴びたことが
ブロードウェイでの再演に繋がったとさ。
ストーリーは
父が使っていた斧の刃が飛び
少女ヴァイオレットに直撃。
顔に大きな傷を負ってしまう。
楳図かずお先生ちっくな、陰惨な アクシデントが・・・
きゃー、顔は女の命なのに残酷スギちゃん。
心に深い傷を負ってひきこもりになっていた彼女だが、
顔の傷をヒーリングで治せるという神父さんいることを知った彼女は、
自分の傷を治してもらおうと神父さんに会うことを決心。
乗車したバスの中で二人の兵隊と出会い・・・
主演は、トニー賞主演女優賞2冠のサットン・フォスター様。
ハリウッドスターのようなスターオーラもない地味ーなルックス。
(ファンの方ごめんよー)
たぶん、NYの地下鉄に乗ってても彼女だってわかる人はいないだろう!?
そんな彼女なのだが、
歌わせても
踊らせても
笑いの間の良さも
すべて100点満点。
ブロードウェイの中でトップクラスのマルチタレント。
まさに、ミュージカルのためにこの世に生を受けたようなお方なのよー。
しかし、
今回の彼女の役所は、顔を心に傷を負うという複雑で
濡れ場もあるディープな女性の役。
果たして、
これまで利発で明るい役しか演じて来なかった彼女に出来るの!?
と心配しちゃったよ。
が、しかーし
見せてくれました!
ヒロインの繊細な心のひだを演じ歌っちゃうんだもんねー!
トニー賞女優の威厳を守ったね、彼女は・・
見どころは・・
◎粒ぞろいのキャスト
後方舞台上にオーケストラ。
舞台装置は必要最小限。
観客をビジュアルで誤摩化さない分、
役者としての力量が凄い重要になってくるんだねぇー。
役者さんの本作への力の熱の入れようがビンビン伝わって来る!
きっと出演者全員が本作を凄ーく愛しているんだろうなー!
◎音楽
テンポの速いホンキートンキー・ロック、ブルース、カントリー音楽、
ゴスペルなどバラエティに富んだ曲満載。
特にしびれたのはフリック役のジョシュワ・ヘンリーが歌った「LET IT SING」。
観劇後、頭の中でずっと回転していたくらいだよー。
リバイバル賞候補作3作品の中で、
プロの評論家にいっちゃん褒められている「ヴァイオレット」。
口コミで評判が広がっているようだが、
チケットも売上げはまだ繋がっていない模様。
舞台芸術と観点でいえば、
話題性抜群の本命「ヘドウッグ」と
超大作「レ・ミゼラブル」を押さえ込み、
「ヴァイオレット」のどんでん返しとなりそうなのだけど・・・
走れ〜走れ〜♫(以下略)
もしもコレを日本人がやるとしたら
松たかこ様
『アナと雪の女王』主題歌「Let It Go~ありのままで~」の熱唱には腰抜かしちゃったよー!
乗りに乗ってる彼女に是非出演交渉を!
シアタークリエさん、宜しく御願いしますよ!
「ヴァイオレット」は現在のところ8月10日までの限定公演
ブロードウェイ・ミュージカルって楽しいだけでなく、
役に立つ人生訓がギュっと詰まった、素晴らしいものなんですよね!
トシカプ評:★★★★
American Airlines Theatre
227 West 42nd Street
New York, NY 10036