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トシ・カプチーノ

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ToshiHeadShot_2014.jpegのサムネイル画像舞台芸術評論家、プロデューサー、タレント。「STOMP」,「RENT」の日本公演に携わる。コメンテーターとしてテレビやラジオにも活動の場を拡大。トークショー「トシ・カプのブロードウェイ言いたい放題」は、内容の濃さと面白さで好評を博す。NYのジャーナリストや演劇評論家130名で構成されるドラマ・デスク賞の審査員を務めている。ワハハ本舗所属。



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メーキング・オブ・ピーターパン「NEVERLAND」 

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華やかなブロードウェイの祭典トニー賞が幕を閉じ、

 

 

不肖ワタクシの歌謡シャンソンSHOW「はだかの王様と私」

 

 

お蔭様で好評のうちに終演を迎え、

 

 

 

 

なんざましょ。

 

 

 

このもの憂さと甘さのつきまとう

 

見知らぬ感情は・・・

 

なんて柄にもなく

 

サガン風味のおセンチに

 

浸っている暇などございませんの!  

 

 

 

 

まずは、

蝶よ花よのブロードウェイの舞台裏の

とーっても生臭いお金のお話から・・・。

 

 

 

昨シーズン開幕したミュージカルの

チケット週間売上のベスト3は・・・・

(6月7日現在)   

 

 

第1位 「パリのアメリカ人」      (1億7千万円)

 

 

第2位 「王様と私」          (1億4千万円) 

 

 

第3位 「ネバーランド」(1億3 千7百万円)  

 

 

 

 

ちなみに、一位と二位は、

 

それぞれトニー賞4部門受賞! 

 

まさに

 

舞台のクオリティーと

 

興行収入との

 

相関関数が見事にマッチングしとりますの♡ 

 

 

 

 

が、しかーし   

 

 

 

 

三位の「ネバーランド」は 

 

チケット売上では上位なのに 

 

トニー賞にノミネートさえされず・・・ 

 

 

 

 

これは一体どゆこと?

 

 

 

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「ファインディング・ネバーランド」は 

ジョニー・デップ主演の映画を舞台化。 

知名度だけは抜群なんだよね!   

 

 

 

ストーリーは・・・  

 

劇作家であるJ.M バリーはスランプに陥り、

なかなか新作が書けない。 

そんな時、ロンドンにあるケンジントン公園で、

未亡人シルビアとその子供4人と出会う。 

その中の一人の少年がモデルとなり

児童文学の名作「ピーターパン」完成させると言う、

 

 

 

いわゆる

 

 

 

メーキング・オブ・ピーターパンってなお話。 

 

 

 

 

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まずこのファミリー・ミュージカルの見どころは

 

 

 

 

話題満載の演者達・・・

  

 

 

◎マシュー・モリソン    

 

 

人気テレビドラマ「グリー」で大ブレイク。   

今や飛ぶ鳥落とす勢いの

超売れっ子ミュージカルスター。  

日本にもファンが多い。 

TVで見せつけた、その抜きん出た歌唱力と演技力、

そしてルックスは折り紙付き!?      

 

 

◎ケルシー・グラマー   

 

 

TVコメディドラマ「そりゃないぜ!?フレイザー」、

「チアーズ」で一世風靡した性格俳優さん。  

本作ではフック船長とチャールズ・フローマン役の二役を演じ分ける。  

彼のしゃくれアゴを見れば、

あーあの人ね・・とわかるはず。   

言ってみれば、本作の最強の人寄せパンダだわね! 

 

 

 

 

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◎ダイアン・パウルス   

 

2013年「ピピン」でトニー賞再演賞受賞。  

現在、超売れっ子演出家の彼女が作り上げた

ファンタジー・ワールドだったが・・   

彼女、やる気あったのか!?

本気でトニー賞狙ってたんだろうか?

 

 

 

 

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ピーターパンそのものではなく、

 

それを劇作家が創作するまでのプロセスに 

 

焦点を当てたストーリーは、

 

おもしろーい着想だー。   

 

 

 

が、しかーし  

 

 

 

▲センチメンタル過多な脚本・・

 おまえは甘いだけの

 無果汁コーンシロップ満載の

 アメリカンソーダかっ!

 

 

 

▲何が何でも夢は願えば叶う的な安直なメッセージ  

 

 

 

 

▲映画「タイタニック」っぽい楽曲

(セリーヌ・ディオンが出てくるかと・・笑)  

 

 

 

▲犬出せば、いいってもんじゃないのよ!

 トニー賞に動物賞があってもノミネートさえ無理だろうなぁー。

 

 

 

 

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素面のマチネ観劇だったのだけど 

 

眠気を我慢できず、

 

何度ウトウトしたか! 

 

ま〜一言で言ってしまうと

 

 

 

所詮、アイドル・ミュージカルなのよね。    

 

 

 

私がやっぱ見たいのは

 

 

 

空飛ぶ郁恵ちゃん・・・   じゃなくて   

 

 

 

ピーターパンそのものだわな!    

 

 

 

ところで、ここ最近、

映画を舞台化した作品で記憶にあるのは・・   

 

 

 

「ビッグ・フィッシュ」 

「ハネムーン・イン・ベガス」 

「ジジ」 

「ロッキー」  

 

 

 「ジジ」だけは、まだ延命中だが、

どれも数ヶ月で撃沈!  

 

 

 

ハリウッドでヒットしたからって、

 

 

それをそのままブロードウェイにもってきて

 

 

二匹目のどぜうを狙ったって、

 

 

そーは問屋が卸さないのよね〜 

 

 

やはり、映画の舞台化で必須なのは 

 

 

オリジナルの映画を超えるくらいの 

 

 

 

 

挑戦的な何か・・・  

 

 

 

 

そんな作品の出来ながら「ネバーランド」は 

前述の通り、本作は連日ほぼ満席!   

 

 

 

回りの観客を見渡せば、子供連れの家族と、 

 

 

 

モリソン目当ての 

 

 

 

ニキビ面&歯列矯正ブリッジ装着の10代の女の子達だらけ!  

 

 

 

身も蓋もない言い方かも知れないけれど、

 

 

 

率直に申し上げて、

ファミリーミュージカルっていい商売よね〜。 

 

 

 

ブロードウェイに子供料金の設定なんてないから 

 

 

家族4人がオーケストラ席のチケット買えば、 

 

 

 

それだけで600ドル前後・・・ 

 

 

 

興業の金庫番であるプロデューサーにとっては

 

 

 

 

 

 

上得意様。 

 

 

 

 

 

ビバご家族連れ、って事なのでしょう・・・    

 

 

 

 

感性や倫理観を問うような、

 

 

 

重厚で作り込んだ作品が好きな人には 

 

 

 

物足りなさの残る作品だけれど、 

 

 

 

 

分かり易いストーリー。 

 

 

 

 

テレビで良くみかけるあのイケメンも出ているし、 

 

 

 

 

なんの予習もなく肩の力を抜いて見れる楽チンミュージカルを 

 

 

 

 

探している人には最高の作品なのかもね!? 

 

 

 

 

 

 

さて、本作を翻訳上演するとしたら・・・   

 

 

主役、J.M バリーには   

 

 

日本ミュージカル界が誇るプリンス3人、   

 

 

 

井上芳雄さま 

 

浦井健治さま 

 

山崎育三郎さま   

 

 

 

にトリプルキャストでお願いしとうございます。 

間違いなくチケットは完売でございます。    

 

 

 

マシュー・モリソン、ケルシー・グラマーを

生でご覧になりたいという、

そこのあなた、 

韋駄天走りで劇場へ急げ!    

 

 

  

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、                

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。          

 

 

 

トシカプ評:★    

 

 

 

Lunt-Fontanne Theatre 

205 West 46th Street 

New York, New York 10036

 

 



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June 16, 2015 9:20 AMComment(0)



歌謡シャンソンSHOW「裸の王様と私」

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皆様、大変ご無沙汰しています。

 

 

渡辺謙さん、

 

残念ながら

 

トニー賞主演男優賞を

 

逃しましたが

 

「王様と私」は、

 

9部門ノミネートで

 

なんと4部門で受賞する快挙

 

おめでとうございます!

 

 

 

 

さて、

 

大盛況だった一回目の私のキャバレーSHOW、

 

「裸の王様と私」

 

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お客様からこんなメッセージが・・

 

 

◎Nさん男性

 

素晴らしいショーをいつもありがとうございます。

 

公演後に御挨拶出来て嬉しかったです。

 

今年9月に母親と7年ぶりに会います。

 

母には相当の迷惑と苦労ばかりで

 

いつも僕の将来の心配ばかりしていました。

 

今回のショーはいくつも僕と重なる場面があり

 

何回も涙しました。

 

そして9月の母との再会が

 

さらに待ちどうしくなりました。

 

本当に有り難うございました。

 

また行かせて頂きます。

 

 

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◎Aさん女性

 

ライブ終了後、SOBA TOTTOに行き、

 

トシさんライブ座談会な感じで、

 

2人で盛り上がりました。

 

友人は最初のKING & Iからの2曲が一番好きで、

 

その方曰く、トシさんはいい目をしてる、

 

武士の目だって言ってました。

 

私は5番目と最後の曲が好きでした。

 

帰宅後、母に電話したくなり、

 

久し振りに母の声を聞きました(^^)

 

トシさんのおかげです。

 

ありがとうございました!! ではでは!!

 

 

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Mさん女性

 

笑と涙を有難う。

 

夕べもトシカプさんしか作り出せない

 

ノスタルジックな九州の昭和に

 

タイムスリップできて最高!

 

一緒に行った友人が歌は

 

渡辺謙よりカプちゃんの方がうまい

 

と言っていたことをお伝えします。

 

6/13日の成功祈ってます。

 

 

2回目のショーは6月13日(土)午後4時開演

ご予約はhttp://www.theduplex.com/site/calendar



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June 10, 2015 12:48 PMComment(0)



新作ミュージカル「AN AMERICAN IN PARIS」〜鴛鴦の契を結んだ夫婦さながら・・

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ミュージカルと言えば、 

 

 

歌って、

 

 

踊って、

 

 

憂き世の喜怒哀楽の物語

 

 

紡いで行く総合芸術。  

 

 

 

 

そんな中、ダンスは・・・

 

 

 

勿論、歌と台詞に乗せて

役者達が音楽に合わせて

踊りだすってのは自然な流れ。  

 

 

 

 

ミュージカルとダンスは・・・・

 

 

 

おしどりの契を結んだ

 

夫婦さながら、

 

切っても切れない間柄。  

 

 

 

さりながら、

ダンスは、

ある意味 縁の下の力持ちと言えなくも無い。 

 

 

 

重要度で言えば、  

 

 

 1、先ずは、お芝居っしょ。

 

 

善人から極悪人まで。

観客の心を鷲掴みにする演技力

さらに舞台からはみ出るような

カリスマがあればステキ♡ 

 

 

2、次が歌唱

 

 

やっぱミュージカルってくらいですもの、

ピアニッシモのささやきから、

胸郭全開、のど輪締めテク

地響きのような絶唱まで

聴かせて欲しいの♡ 

 

 

3、そしてダンスの順・・・。

 

 

お芝居でも歌でも徐々に溢れ出て来たエロス。

遂にはつま先まで緊張感を漲らせた肉体を駆使した踊りでもって、

私に究極のエクスタシーを感じさせて〜ン♡♡♡   

 

 

 

その踊りの魅力を最大限にフィーチャーした

ヲトナのためのしゃれおつなダンス・ミュージカルが   

 

 

アカデミー賞受賞、ジーン・ケリー主演の

古典ミュージカル映画が舞台化した  

 

 

 

 

  『巴里のアメリカ人』

 

 

 

 

 さてココデ・・・ズバリ当てましょう♪ 

 

 

 

 

来月のトニー賞ミュージカル作品賞は、

これに決まりヨ!   

 

 

 

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ストーリーは・・・  

 

舞台は大戦後の復興期のパリ。 

兵役から逃れたアメリカ人、ジェリーは 

パリの美しさに魅了され祖国へ帰ることを取りやめ 

この光の都市に留まることを決意。 

偶然カフェで出会った画家に連れられて 

行ったバレエのリハーサル。

そこで見た美しいバレリーナ,リセに一目惚れ。 

しかし他にも彼女に思いを寄せる男性たちが・・・・ 

 

 

 

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見どころは・・・   

 

 

◎モダンバレエ風のダンス   

 

 

主役から脇を固めるダンサーまでも、  

有名バレエ団から起用された  

チャキチャキのバレエダンサーたち。    

 

 

まず驚くのは、鍛え上げられた肉体!  

それを使い、ミリ単位で計算されたような

舞のめくるめく世界!  

 

その一こま一こまが、しゃれとんシャー! 

 

 

 

さらにモダンバレエ風のダンスだけに留まらず、  

ブロードウェイの天才振付家、ボブ・フォッシー「ピピン」や  

マイケル・ベネット「コーラスライン」

スーザン・ストローマン「プロデューサーズ」を思わせるような  

バラエティに富んだ振付だから、全く飽きがこない!        

 

 

 

ねっ?トニー賞振付賞受賞間違いなしっしょ!?

 

 

 

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◎ジョージ・ガーシュインの音楽    

 

 

 アメリカの国民的な大作曲家、ガーシュインの

 ジャズとクラシックを融合させた  

 楚々たるシンフォニックジャズのナンバー  

 

 

 それも、聞き覚えのある曲の数々   

 心地よく、モダンバレエ風の動きを  

 さらに引きたてる役割もしてるのさ!     

 

 

 

◎キャスト   

 

 

 主役ジェリーを演じるのは、  

 ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパル、

 ロバート・フェアチャイルド  

 

 その相手役リセにはロイヤル・バレエ団の

 リアン・コープを大抜擢!     

 

 

 そんでもって凄いのは、このお二人、

 ブロードウェイ・デビューで  

 バレエダンサーにも関わらず、

 芝居もマル、歌唱力もマル! 

 これじゃー、あーた。

 ミュージカルにプラス、

 バレエの醍醐味まで堪能出来る、

 

 

 一粒で二倍三倍楽しめるのヨ!     

 

 

 もちろん、両者がトニー賞主演男優、女優各賞に

 ノミネートされたこと必定よね!

 

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◎演出家の手腕    

 

 陽の目を浴びることが難しい  

 ダンスを敢えて中心にすえたミュージカルを     

 制作したプロデューサーも偉いけど、     

 やはり最大の功労者は、バレエ界で有名な     

 

 演出振付家、クリストファー・ウィールドン。   

 

 過去のダンス・ミュージカルを振り返ると・・・   

 ・ダンサーはダンスのみ、シンガーは歌のみ  

 ・ストーリーはなし(歌のイメージに合わせて踊るだけ)  

・  歌もなく音楽に合わせて踊るだけってものもある    

 

 

 新しいヒット作として記憶にあるのは   

 ビリー・ジョエルの『ムーヴィン・アウト』くらい・・・   

 そう言えば、そのボストン公演で、

   テレビ番組収録で? 山本太郎氏と遭遇したなぁー! 

 

 

 それに対し「パリのアメリカ人」は・・・・   

 ・プロのダンサーが歌って踊って演技まで!一人3役。  

 ・芝居と踊りがコネクトし、小気味よく交差しながらテンポよく進む物語  

 ・凝った舞台装置と衣装もエレガントなパリを表現。

 

 

 

 

 

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バレエと演劇の要素が

高い次元で絡み合あった「パリのアメリカ人」

これは、まさに新分野!

ラプソディ・バレエ・ミュージカルとでも言うおうか!?

 

 

映画の舞台化で、

映画以上の評価をされるって

なかなか難しいのだけど

 

本作はやっちゃったちゃんね!

 

 

 

 

さて、本作を翻訳上演するとしたら・・・

 

バレエが踊れて、演技も歌もできる日本人で・・

 

ううううん・・・

 

 

 

ぱんぱんぱやっぱ♬「他人の関係」の金井克子さま

 

 

「水戸黄門」の由美かおるさま

 

 

 ちょっと・・・

 

 

 熊川哲也さまは・・・んー歌と演技は?

 

 

 

 無理そうなんで、そのまんま日本へ!

 

 

 

 本作なら、子供から大人まで、

 演劇好き、バレエ好き、ガーシュイン好き、

 台詞の少ないので英語が苦手な日本人にもオッケー!

 幅広い層に楽しんでもらえること間違いなし。

 みなさん、オリジナルキャストが出演しているうちが旬よ。

 韋駄天走りで劇場へ!

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、                

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。            

 

 

トシカプ評:★★★★★

 

 

Palace Theatre

1564 Broadway

between 46th and 47th Streets

New York, New York 10036

 

 

 

 

 



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May 14, 2015 8:00 PMComment(0)



新作ミュージカル「Something Rotten!」〜ブロードウェイ・ヒットの法則

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いよいよブロードウェイ最大の演劇の祭典も秒読み体制に♡

トニー賞ノミネートも4月28日に発表されました!

 

 

 

ノミネート自体が

 

その日の芸能ニュースのトップに

 

取り上げられるくらいですからねー、

 

目が離せない

 

 

 

 

 

これから始まる大レース♬

 

 

ひしめき合っていななくわ〜♪   

 

 

走れー走れー、コータロウ♬

 

 

 

 

 

最多ノミネート(ミュージカル部門)を

受けて注目を集めているのが

次の三作品でした・・・・

 

 

 

ベスト3は・・  

 

 

 

1、ダンス系「パリのアメリカ人」12部門 

 

1、ゲイ系「ファン・ホーム」12部門 

 

3、コメディ系「Something Rotten」10部門  

 

 

 

そんな中、渡辺謙さんの「王様と私」は

9部門でノミネート。 

 

ななんと、渡辺謙さんご自身も

日本人初、主演男優賞にノミネートされました! 

 

 

 

これを快挙と言わずしてなんと言う!   

 

 

 

で、今回はその赤丸付き三本のうちの一つ、

 

 

コメディ系「Something Rotten!」を紹介したい! 

 

 

 

 

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まず、皆様に着目していただきたいのがプロデューサー。

 一般の会社社長にあたるのがソレ!  

 

 

「Something Rotten」の場合、

その社長にあたる一番偉いお人が・・・     

 

 

ケヴィン・マッカラム氏 

 

最近は、チャイナ・マネーにスリスリで!?

クレジットに中国系企業の名も・・・

 

 

 

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業界では知らない人は潜り、

ってぐらい、知る人ぞ知る

ブロードウェイの大立て者。    

 

 

 

 

そのケヴィンさん、かなりのやり手でね 

1994年以来、

彼がプロデュースした作品は22本 

 

かなりの確率でヒットさせ、

その中でなんと4作品で

トニー賞最高峰ミュージカル作品受賞。  

 

 

 

 

ヒット作の作り方のハウ・ツーを 

 

十二分に熟知している

 

ホームラン量産

 

三番バッター・スラッガーなのよ!    

 

 

 

そんな彼がプロデュースした作品「Something Rotten」 

 

よろずぬかりがありませぬ!  

 

 

 

 

 

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まず、クリエイターのメンツがキョウレツなのさ!  

 

 

脚本は・・・

映画

「エディ・マフィーの劇的一週間」

「チキンラン」

「森のリトルギャング」

 

などでお馴染み

映画監督、脚本家のカレイ・カークパトリック

とベストセラー小説家ジョン・オファレルが手掛け

 

 

作詞作曲は

カレイの兄でソングライター、

ウェイン・カークパトリックとの協同制作

 

 

そして、

 

 

演出振付には・・・・・・ 

 

 

「ブック・オブ・モーマン」

「アラジン」の大ヒットで

今やブロードウェイで飛ぶ鳥の落とす勢いの

 

 

ケーシー・ニコライ(ケーシー高峰の親戚じゃないのよ)

 

 

 

 

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キャストも凄い。

 

ニック役に扮する

主演ブライアン・ダーシー・ジェームズにおいては

 

なんと、

あの話題沸騰の

オフ新作ミュージカル「ハミルトン」

降板してまで、

本作に移って来たというから・・・

 

余程の高額なギャラを積まれたのか・・・?

 

 

 

 

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ストーリーは・・・  

 

舞台は16世紀、エリザベス朝のロンドン。

ヒット作に恵まれない兄弟演劇作家のニックとナイジェルは

ウィリアム・シェイクスピア以上の傑作を創ろうと考えていたある日、

偶然、占い師ノストラダムスと遭遇。

これからは"歌と踊りと演技が同時に楽しめる作品が、

未来の劇場を制する"と言われ、 

ニック兄弟は世界初のミュージカル

「ハムレット」でなく「オムレット」を書き上げるという、

なんともおちゃらけたストーリー。

 

 

 

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さすが、敏腕プロデューサー、マッカラム氏。  

 

 

シェークスピアを茶化したストーリーと 

ブロードウェイ・ミュージカルのパロディを中心に  

 

 

 

◎底抜けに明るい 

◎軽い 

◎早回しのような物語の展開 

◎登場人物が少なく分かりやすい 

◎必須のおネエキャラ 

◎曲目数が適度 

◎随所にちりばめられた下ネタ   

 

 

 

ブロードウェイのヒットの法則を 

押さえたポイントがすら〜り   

 

 

 

 

見どころは・・・

  

 

 

 

◎ダンス、ダンス、ダンス  

 

 確か「アラジン」でも同じようなことを

 書いた記憶があるが、

 あらゆるジャンルを踊りまくる!  

 

 特にタップダンスが随所に、ダンス好きには堪らないぞー!

 

 

 

 

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◎シーン5の楽曲"A Musical"    

 

 ハチャメチャなパロディはニコライ氏の得意技。  

 

 「RENT」 

 「レミゼ」

   「コーラスライン」 

 「ドリームガールズ」

 「キャッツ」  

 

  などなど懐かしの大ヒットミュージカルをパロディにした 演出は、

  ミュージカル狂には堪らない圧巻のシーン。 

  悶絶必死の面白さで観客は熱狂し、

  曲の終わりに観客は総立ち!

  この時点で観客はご満悦の様子だ!

 

 

 

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しかーし    

 

 

 

ハイパーなペースで飛ばしに飛ばす

 

1幕中盤までは絶好調なのだが 

 

延々と続く悪ノリ合戦にちと辟易し 

 

2幕ではステレオタオプな笑いと

 

 似たり寄ったりの楽曲と演出。 

 

いい加減ガス欠&食傷気味。   

 

 

 

しかも   

 

 

ん?これ、「ブック・オブ・モーマン」 

ん?これ、「プロデューサーズ」  

どこかで見聞きした様な? 

部分が散見したような 

観客におもねったような部分も多々?

 

 

 

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コメディとしての笑いのツボは 

おさえまくっているのだけど、 

中味がない、薄っぺらいのさ。

しかも、私にはプロデューサー達の

そろばん勘定が見えすぎちゃって・・・

トニー賞10部門ノミネートをうけて 

チケットの売れ行きは益々好調!

ミュージカル・コメディ好きには

十二分に楽しめると思うのでおススメだよ! 

 

 

 

さて、本作を日本で翻訳上演するとしたら主役のニックには・・・ 

 

ミュージカルスターを目指していたこのお方    

 

 

 

 

有吉弘行さま    

 

 

 

 

バラエティのお仕事が激減したら、是非。 

今度はミュージカル界で3回目の再ブレイク 

大輪の花を咲かせましょう!     

 

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、                   

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。        

 

 

 

トシカプ評:★★★  

 

 

 

St. James Theatre 

246 West 44th Street 

New York, New York 10036

 

 

 

余談ですが、先週の花の黄金週間・・・ 

多くの日本人旅行者の方々が

ブロードウェイ観劇を楽しまれた事と思います。 

ワタクシもブロードウェイ界隈で

和が同朋の舞台ファンの皆様をお見かけ致しました。

 

その多くの方々が

JTB発刊のガイドブック"ララタッチ"を

携えていらっしゃいましたの! 

ララタッチのブロードウェイ情報コーナーは、

(エッヘン)勿論ワタクシの監修。

 

な〜んて自画自賛、

手前味噌の平常運転ゆるして〜ん♡ 

      

 

 

 

 

 

 



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May 6, 2015 12:43 PMComment(0)



「GIGI」〜ジジったって、 爺さんが歌い舞い踊るミュージカルじゃないの! 

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今年も来ましたよ、トニー賞シーズンが!

(賞のセレモニーは6月7日)  

 

このシーズン中、

ここ数年ですっかり定着した

4月の新作ミュージカルラッシュ。 

 

この傾向。個人的にはあまり歓迎できないのよー。

というのも、4月はほぼ毎日観劇一色。 

あー、忙しいったらありゃしない。  

 

そりゃ確かに大好きなブロードウェイでの観劇三昧に

文句を言うなんて 何様?と非難されるかもしれない・・

 

でもさー、

いくら美味豪華ディナーだって

それが連日連夜となりゃー

少々食傷気味になるというものじゃない!?

 

 

それにしても、なぜ4月に開幕が集中するかというと・・ 

チケットの売り上げと トニー賞を取ることしか考えていない

どん欲なプロデューサーたちが、 

トニー賞ノミネート締切(4月23日)

ギリギリ前にショーを開幕させることで、 

少しでも賞レースが有利に運ぶようにという目論みからなのさ。  

 

 

まー私から言わせたら、

そんなことしたって

すべてはショーの出来不出来で決まるわけで 

そこがダメなら開幕時期なんて関係ねーし、フフ。   

 

 

さて、そんな朝の山手線みたよな

ラッシュの4月に開幕した一本が・・   

 

 

 

リバイバル・ミュージカル    「ジジ」 

 

 

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ジジったって、

爺さん達が歌い舞い踊る

ミュージカルじゃないのよ。   

 

 

 

ストーリーは・・・・  舞台は19世紀のおパリ。

おてんば娘のジジが

祖母やおばさんに教育されて、

気品ある大人の女性になっていく姿を描く。

 

 

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これって・・・聞いたことのあるストーリーよね!?  

そう、ヒギンズ教授によって優雅に変身して社交デビューする

すっぱ少女の物語 「マイ・フィア・レディ」の二番煎じ。 

 

それに材を取った映画「プリティ・ウーマン」なんてのもあったっけ・・・。 

 

 

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脚本を手掛けたのは・・・アラン・ジェイ・ラーナーと言う人

 

「マイ・フィア・レディ」も「パリのアメリカ人」も彼なのね・・・!  

 

ところでこの再演版の脚本だが  

裏を返せば、大金持ちの愛人になるための作法を 

ジジに教え込むという物語

でも今回それをゆるーくしてねぇかぁ?!   

 

たとえば、  

 

ジジの年齢 15歳 → 18歳  

 

愛人ガストンの年齢 40歳 → 20歳  

 

結婚の申し込み方 祖母を通して申し込み → 直接本人に    

 

 

これは、子供たちへの悪影響だの 

女性の人権だの 

ポリティカルコレクトネスを考慮しての

脚本の設定変更なんだろうか? 

 

これじゃー、面白い部分を全部削ってしまった感あり! 

もともとが、が自分の欲望のために

いたいけな少女を作り替えちゃう、

なんていう不埒な設定なんだし、

そーゆーヤバイ部分を小手先でごまかしたって、

わさび抜きの握りみたいになっちゃうだけよー。   

 

 

カネカネカネのこの時代だもの・・ 

 

 

逆に、お金のために手段を選ばない

マテリアル・ガールなジジ

スキャンダラスかつエネルギッシュ

赤裸々に 描いた方が絶対におもろかっただろうに・・と私は思うのだ。 

 

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さてさて、

 

この21世紀版「ジジ」の タイトルロールに任命されたのは・・・     

 

 

ヴァネッサ・ハジェンズ

 

 

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ディズニー・チャンネルの「ハイスクール・ミュージカル」で、 

一躍時の人となった女優、歌手、アイドルらしい・・・  

 

確実に、話題性と彼女の人気(人寄せパンダ)に肖っちゃおうと言う 

プロデューサーのご判断での大抜擢だったのでしょうがーーー。 

 

 

お手並み拝見つーことで・・・

 

 

 

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見かけは、確かにカワイイ! 

一時期売れた沖縄出身のタレント早坂好恵にクリソツ!

 

 

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そんな彼女、テレビ・タレントとしてはいいかもしれんが、 

舞台役者として、しかも主演させるのは時期尚早。  

 

とてもハマり役とは言い難く、 

味の染みてない煮物というか、 

役の核心を全く掴めないまま

見切り発車した感ありあり!

 

 

 

まさか・・

 

 

舞台をこなしながら役作りをするつもりだった? 

 

 

客は練習台かぁー!!

 

 

歌もねぇーーー 

 

カラオケ屋の常連レベルじゃだめだめ。

  

 

ヴァネッサ・ハジェンズ効果を期待していた 

プロデューサーの夢は泡と消えたようね・・

 

 

キツいこというようだけど

滑らないように 

こけないように 

リスクのないように   

 

そんな楽チンして 

傑作を産もうなんて 

虫がよすぎるのよね。

 

 

短命に終わることは

間違いないので、 

金持ちの愛人のなり方を

お勉強したい方のみ、劇場へ急げ!!     

 

 

 

もし、日本で本作を上演するのなら・・・ 

主役のジジには、

離婚後、大リーガーのダルビッシュ選手に 

莫大な養育費を要求したと噂されている

 

 

紗栄子さま。

 

 

なんてね、あたしゃー井上公造か?     

 

 

ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、                  

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。                     

 

 

トシカプ評:★★    

 

Neil Simon Theatre 

250 West 52nd Street 

New York, New York 10019



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April 21, 2015 10:41 AMComment(0)